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変われる拳!  作者: 澤田慶次
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理不尽大王手塚!

インターハイも決勝へ!

インターハイ決勝の朝、本日も将士は手塚と一緒である。ホテルで2人で朝食である。

「将士、これ貰うな!」

「あ!…僕のおかず……」

「遅いお前が悪い!」

「勝手に食べた手塚さんがおかしいんですよ!」

朝から楽しそうではある。


手塚の車で試合会場に着いた将士、

「将士君、おはよう!」

「おはよう隆明君……今日、絶対勝って優勝ね!」

「うん、約束!」

「朝からホモ達か?暑い暑い!」

「……手塚さん、朝から横柄だね?」

「昨日の夕食から横柄だよ!」

「はぁ?何か言ったか?」

「……将士君、ご苦労様」

「とりあえず、しっかりね」

「うん」

隆明は将士から離れ、ゆっくりとアップを始めた。

「あれ?今日はアリサさん来ないんですか?」

「哲男、お前は勝つ事に集中しろ!」

「うわ~……将士、手塚さんどうしたの?」

「昨日から理不尽だよ」

「よし、俺はアップに戻るか!」

哲男はさっさと将士から離れてしまった。

「よう、手塚!」

「……橋本ちゃん、相変わらず馬鹿そうだな?」

「……中台、殴っていいか?」

「構いませんよ」

「やるってのか?俺も構わないぜ!」

手塚がファイティングポーズを取る。

「……頭の中が子供のまんま……中台、ご苦労様な」

「何だよ橋本ちゃん?」

「言葉のまんまだ、この馬鹿」

どうやら、本日の手塚は大分横柄の様である。

「よう!一緒に見ようぜ!」

「徳井……将士はあっちな」

「どうしてですか?」

「どうしても!」

「……分かりましたよ……」

本日将士は、1人で試合観戦の様である。


手塚と離れて観戦している将士。

「「中台!」」

「中台君!」

「あれ?どうしたの?」

「あの金髪は?」

「手塚さんならあっち」

将士は徳井と並んで座る哲男を指差した。

「昨日の女も居ないみたいね」

「アリサさんなら、今日は仕事じゃないかな?」

「アリサ……あ~、女優のアリサだ!」

「雨谷さん、今気付いたの?」

「中台~、そのアリサと仲良さそうじゃ~ん?」

「徳井さんのお姉さんなんだよ」

「キスまでされてさ~……」

「キス!?中台君、どういう事?」

「……巻き込まれただけだよ……静かに試合を見たいよ……」

この後も将士は色々と質問責めに合う事になった。


一方の手塚と徳井だが、色々と話をしている様だ。

「徳井、お前なら将士をどう育てる?」

「どうって……本人の望む様に、じゃないか?」

「本人か~……1番分かり辛いんだよな~……」

「そうかい?結構単純じゃないの?」

「何処が?」

「中台君、喜多に憧れてボクシング始めたんでしょ?」

「……不本意ながら……」

「何で不本意なんだよ?」

「どう見ても、俺のがイケてるだろ?」

「……ノーコメント……中台君が喜多に憧れてるのに、ファイトスタイルはインファイター……喜多を超える……そう育てればいいんじゃないか?」

「簡単に言うなよ~……喜多だぞ、喜多」

「認めてるのか?」

「おう、それなりにな」

「なら、お前達2人の武器を植え付けちゃえよ」

「……どうして?」

「奥の手になるからさ!…もっと言うなら、更に奥の手も持つ事になる……最も、そこまで行けるかは本人次第だけどね」

「……そうだな。俺達は、やれるだけサポートするか」

「それが正解だな」

意外にも、手塚は将士の事を良く考えていた。


インターハイの決勝だが、隆明も哲男もしっかりとSCにて勝利した。2人揃って、春夏連覇である。

閉会式が終わると、哲男も隆明も将士の所に向かった。このタイミングで、徳井と手塚も合流となる。手塚が合流とあり、雨谷達3人は将士から離れていた。

「2人共、優勝おめでとう!」

「将士君、ありがとう」

「まぁ、俺には当たり前だけどな!」

「哲男、調子に乗り過ぎだ!」

「まあまあ手塚、菅原君に隆明、まずはおめでとう」

「しかしあれだな、将士が居ないからバンダムは拍子抜けだな?」

「哲男君、将士君が居なくても大変だったよ」

「勝ったから言える事だ。これからは、もっと勝つ事に執着しないとな?」

「はい!」

「将士~、お前出てないじゃん」

「俺も、将士君に負けない様にしないとな」

「話はここまで、将士、練習行くぞ」

「はい!」

「将士、練習なの?」

「俺も同行する!いまいち不完全燃焼だったから!」

「隆明も行くなら、俺も行くぞ。もう少し動きたいからな!」

「手塚1人じゃお守りは無理だな……よし、俺も参加」

「全員か……よし、徳井運転!」

「は?どういう事?」

「こういう事!」

本日は、徳井の運転で5人が倉本ジムに行く事になった。


倉本ジムに着いて挨拶もそこそこに、将士を始め3人は着替えてすぐに練習を開始する。試合を見て気合いが入った将士、将士がプロになった事で気合いを入れた哲男と隆明といった所だろうか。

この日、将士も哲男も隆明も、倉本ジムのプロボクサー達とスパーリングをした。3人共に、なかなかの内容であった。特に将士は、試合をした訳ではなかったので、厳しい攻撃を見せていた。

手塚と徳井だが、こちらもそれなりに汗を流していた。将士達のスパーリングを見ており、口元が揺るんていた。

「もしもこっちでボクシングやるなら、間違いなくここに来いよ」

倉本会長より言葉を貰い、本日の練習も終わりとなった。


倉本ジムから出る。

「よし、徳井の奢りで飯だ!」

「はぁ?どうして俺?」

「お前、この間テレビ出てたろ?懐暖かいんじゃないのか?」

「……よく見てるな……」

「つ~事で、徳井の奢りで焼肉だ!」

「「ごちになります!」」

「叔父さん、悪いね」

徳井の奢りで焼肉となった。哲男と隆明には、インターハイ優勝の良いご褒美となった様だ。

「よし、この後も徳井の奢りで……」

「……理不尽過ぎだろ」

「いいだろ~、徳井大明神?」

「ど~こに行くつもりなの?」

不意に後ろから声が聞こえる。一堂が振り向くと、そこには女性が立っていた。

(かっ)ちゃん、何処行くの?」

「瞳……いや、瞳ちゃんの所に……かな~……」

手塚と女性のやり取りを不思議そうに見ている将士達3人、徳井はにこにこしながら言葉を切り出す。

「森田さん、こっちの3人に挨拶は?」

「あ、ああ!…初めまして、スポーツ記者やってます、森田(もりた)(ひとみ)です」

「手塚の……奥さんになったんだよね?」

「はい!」

「初めまして、中台将士です!」

「菅原哲男です」

「徳井隆明、清隆の甥です」

「うちの馬鹿が、いつもお世話になってます~」

『いやいや……』

「おい、何返事してんだよ?」

『す、すいません……』

「偉そうに!ど~せ、徳井さんの奢りでしょ!」

「うっ……返す言葉が無い……」

「さて勝ちゃん、この後の話……よく聞かせて貰おうかしら?」

森田は手塚の首根っこを掴み、外に連れ出して行った。

「手塚、ご愁傷様……」

「揉めるね?」

「間違いないな!」

「キツイ1発、有るのかな?」

「有るだろ!」

「有るね!」

「やっぱり!?」

「……楽しそうだな、おい……」

将士達3人、手塚のトラブルが楽しい様である。

兎に角、インターハイは見事な結果に終わった。満足な結果となった様である。この3人、これからどう進むのか楽しみである。

将士にとってはこれから!

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― 新着の感想 ―
[良い点] みんなこれからが楽しみですね。 楽しみな今はアマチュアのボクシング馬鹿も、どんな試合するか楽しみですね!
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