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変われる拳!  作者: 澤田慶次
36/109

全国大会開催!

全国大会!

どんな結果となるのやら……

その前に……

選抜全国大会当日の朝早く、将士と哲男は駅に居た。天川会長と篠原トレーナーの迎えである。2人が駅から出て来ると、そのまま拳王ジムに移動した。

拳王ジムに入った4人、

「やぁ、天川会長!お久しぶりです!」

「篠原君、悪いね」

「いやいや……橋本君も元気そうだね?」

「まあまあです。よろしくお願いします」

「お!橋本(はしもっ)ちゃん!お久~!」

「……てづ馬鹿か」

「手塚だよ!」

「やぁ、もっちゃんじゃねぇの!」

「出たよ、日本一の無責任男……」

「それは手塚だ!」

「俺は無責任じゃない!」

「馬鹿だもんな?」

「西田さんじゃないんだから!」

「馬鹿で無責任……手塚、やったな?」

「それはお前だ!」

何故か橋本トレーナーと喜多と手塚は言い争いをしている。

「……仲悪いんですか?」

「中台君は知らないのかい?結構有名だよ」

「哲男君……」

「俺は知ってる!」

「……3人は進歩が無いね~……お互いに大変ですね、天川会長」

「ああ、お陰で白髪が増えたよ」

篠原会長と天川会長が溜め息を付いたが、3人は変わらず言い争いをしていた。将士と哲男も呆れている。

「辞めなさい!……主人公はこっちの2人!」

「橋本君、いい加減にしないか!」

「怒られてやんの!」

「馬鹿だよな~、もっちゃん!」

「君達も同類だよ!成長無いんだから!」

「喜多と手塚、篠原会長に怒られて、少しは大人になれよ!」

「「こっちのセリフだ!」」

「天川会長、馬鹿ばっかりですね……」

「同感……」

「ポンワカポンワ♪ポンワカポンワ♪ポンワカポンワカポンワカ~♪」

「どうした、将士?」

「吉本新喜劇!…題して、トレーナーが我が儘ばっかり!」

「上手い!やるね、中台君!」

「こんな事も学んだのか、感心感心」

「将士は俺から学んだんだからな!」

「一人占めか喜多?俺も協力してるだろ?」

「将士は、俺のジムの選手だ!」

「「呆れるね~……」」

「将士、どうだ?」

「……ダメだこりゃ!」

何を言っても埒が明かない様である。


選抜全国大会の開会式を将士と哲男はしっかりと出席した。明日より、白熱の全国大会が始まる。開会式が終わると、将士と哲男は真っ直ぐに拳王ジムに戻って来た。

ジムに戻った2人、自分のパンチを確認したりリングでの動きを確認し、ウェートを確認してから練習を終えた。

「さて、これから天川会長vs篠原会長だな?」

「おう、それそれ!流石は喜多だな!」

「何やるんだ?」

「橋本ちゃん馬鹿だな~、スパーリングだろ?」

「天川会長、親父ファイトに出たんだろ?」

「おお!そうかそうか!いいね、流石は2人だ!」

「……さっきまで言い争ってた癖に……」

「篠原君、これは川上ジムのせいで間違いないな?」

「……悪巧みは協力するんですね……」

「流石に呆れるな?」

結局、天川会長と篠原会長はスパーリングをする事になった。

2人共、現役を離れて長い。天川会長はこの前、確かに親父ファイトに出たのだが、それでも年齢も有り難しいと思われた。

この考えこそが、間違いだった。

立ち上がりからパンチを交錯させる天川会長と篠原会長、一線を退いていたとは思えないくらいにパンチが切れている。お互いにガードを上手く使い、クリーンヒットを許さない。

1ラウンド最後、2人のパンチが交錯してお互いの顔面を捉えた。

「……僕じゃ、ここまでで精一杯!」

「俺も、ここまでかな……流石に篠原君だね」

「いやいや、天川会長には負けますよ」

天川会長と篠原会長、笑顔でリングを降りて来る。

「……不覚……最後のパンチ、見えなかった……」

「奇遇だな、俺も確認しきれなかった……橋本ちゃんより強ぇんじゃないか?」

「……返す言葉が無い……」

「2人共、凄ぇな……」

「哲男君、僕達はもっと頑張らないとだね?」

「おう、本当に……」

改めて、天川会長と篠原会長の凄さが際立つ事になった。将士や哲男だけでなく、喜多·手塚·橋本も改めてトレーナー業をしっかりと行おうと心に誓った。


翌日、将士と哲男の1回戦である。天川会長と橋本トレーナーの他に喜多も同行していた。どんな試合をするのか、楽しみの様である。

計量については、別段問題は無かった。将士も哲男も、1発クリアして準備OKである。

試合は将士が先である。軽い階級からの為、当然の事となる。

将士はしっかりとアップし、試合に望んだ。セコンドは天川会長であり、天川会長の表情は穏やかである。

試合だが、将士は調子が良い様である。左ジャブが面白い様に決まり、自分の距離にすると将士は一気に攻撃に転じた。この攻撃を相手は堪えきれない。将士の右フックでダウンすると、立ち上がって来た所を将士が更に攻撃し、結局、将士が1ラウンド2分14秒でRSCでの勝利となった。

哲男も将士に続く。立ち上がりから自分の距離で試合を進め、相手が焦れた所にカウンターを決めた。このパンチでSC勝利とし、将士と共に準決勝に駒を進めた。

もう1人の注目選手、隆明も1回戦をRSCで勝利していた。徳井の甥との事だが、戦い方は喜多に近い。なかなかの技巧派である。

3人共に見事な勝利となり、将士と隆明は明日、対戦する事となった。


試合会場からの帰り道、将士と哲男は喜多と歩いていた。天川会長と橋本トレーナーは、途中で夕飯を食べるとの事だった。

「なかなかな試合だったな?」

「そうっすか?俺はこれからなんすけどね!」

「僕は……気を引き締めないと……」

「隆明とだからな!…まぁ、しっかり楽しむ事だ!……俺は、結構楽しいぞ」

「はい、頑張ります!」

「喜多さんを楽しませても、な~んも出ねぇんすよね?」

「……拳骨くらい出してやるよ!」

「要らね~っすよ!ご褒美じゃないんすか?」

「何にもしてねぇのに?」

「これだよ……」

「喜多さんには、敵わないね!」

明日も試合は有るのだが、そんな雰囲気は微塵も無い。雰囲気は最高の様である。

大会は続く!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 会長同士のスパーもなかなか熱いですね(笑) さて、将士と隆明の対決、初戦はどうなるのか楽しみですね!
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