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変われる拳!  作者: 澤田慶次
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決戦! 将士vs哲男!!

ライバルで親友の2人。

そんな2人が遂に……

熱くなって来ました!

試合当日、将士と哲男は後楽園ホールに早めに入る。前座の試合をするボクサーが誰も来ていない時間、2人は後楽園ホールの入口で顔を合わせる。セコンド陣は誰も居なく、2人だけである。

「遂に来たな?」

「そうだね」

「さて、ゆっくりと楽しませて貰うぜ」

「いや、楽しむのは僕さ。そして、この手に勝利を納める!」

「言うね~……楽しみだが、結果は逆になる!」

「……数時間後、答えが出るね?」

「ああ、楽しみにしている」

2人は改めて握手をした。


控え室での2人、ゆっくりと着替えてゆっくりと動き出す。試合までの少しの時間でもやり残した事が無いと言える様、後悔という言葉が一辺足りとも出ない様、2人は勝利に向かって準備をしている。本当に成長したと言える光景ではないだろうか。


試合が始まり出すと、お互いの控え室には来客が増える。殆どが激励なのだが、変わった来客があった。

「よう、中台君」

「あれ?佐伯さん?」

「頑張れよ」

「はい、そのつもりです」

「うん……池本さんも期待してるよ」

「……哲男君にも、同じ事を言うんでしょ?」

「勿論さ」

将士は軽く拳を握った。その拳に佐伯は軽自分の拳を当てる。2人にはそれで充分の様である。

「よう、菅原君」

「佐伯さん!」

「頑張れよ」

「……将士にも、同じ事を言ったんでしょ?」

「まぁな……池本さんも見てるだろうしな?」

「ええ……きっと天川会長も」

「そうだな……」

哲男は軽く握った拳を佐伯の前に出した。佐伯は自分の拳を軽くその拳に当てる。この2人にもそれで充分の様である。


試合が進み、遂にメインイベントとなった。

将士は控え室でゆっくりとしていた。

「さぁ、日本タイトルのリベンジといこうじゃないの?」

「そのつもりですよ」

「将士、徹底的にいくぞ」

「最初からいくぞ」

「そのつもりですよ!」

篠原会長·喜多·手塚から言葉を貰い、将士の闘志に火が付いた様である。一気に表情が引き締まった。

一方の哲男だが、こちらも控え室でゆっくりとしていた。

「さて、勝利を手にして来るか?」

「はい、会長!」

「決着、着けるぞ」

「勿論です!」

こちらも闘志に火が付いた様である。遂に2人は、決着を着けるのである。


お互いに入場となった。

青コーナーの将士が先である。将士は[惑星]の音楽の中、花道を歩いて来る。リングの前で一礼し、そのままリングに上がった。

一方の哲男だが、赤コーナーより入場となる。何と、こちらも[惑星]の音楽が流れ、その中を歩いて来た。惑星は池本が入場の際に使っていた音楽である。2人なりに、池本への手向けといった所だろうか。


リングに上がった2人、紹介を受けるとお互いは真っ直ぐにお互いの目を見据え、目線を外さずにリング中央に歩み寄る。レフェリーから注意事項を受けると拳を軽くぶつける2人。そのまま2人は一旦各々のコーナーに戻る。

「カーン」

ゴングが鳴った。


1ラウンド……

リング中央でお互いの右拳を軽くぶつけると、将士はそのまま頭を振りながら前に出ていく。しっかりとガードを上げ、的を絞らせないようにしている。

哲男は将士のこの動きを予測していた様に、直ぐ様素早い左ジャブを放つ。避けられるのは折り込み済みの様であり、2発3発をジャブを続けていく。

将士も哲男の攻撃は分かっていた。だから、最初のジャブをかわした後も将士は動く事を緩めていない。そのまま哲男のジャブをかわしながら、哲男との距離を縮めていく。

哲男はサークリングをしながら将士に左ジャブを放っているが、将士はそれをウィービングでかわしながら哲男を追い掛けていく。

哲男の何発目かのジャブの時、将士は一気に距離を詰めた。そのまま哲男の懐に入った将士の左腕が動く。

それに合わせる様に、哲男の右腕も動いた。哲男の狙いは、将士の左ボディに合わせたカウンターである。タイミングドンピシャリである。

しかし、次の瞬間に形勢は逆転する。将士はもう一度頭を振り、哲男の右の打ち下ろしに合わせる様に左アッパーを被せた。動いた左腕を一瞬止め、哲男の右を誘ったのである。

将士が駆け引きで一歩先をいったと思った瞬間、哲男は右の打ち下ろしの勢いを踏ん張る事なく、そのままその勢いを利用して将士に覆い被さる。結果、将士の左アッパーは哲男の身体で動かなくなり、クリンチをするより他なかった。ほんの数秒間、2人の間には何度も駆け引きが有った様である。

レフェリーが一旦割って入り、改めて仕切り直しである。

(あれを潰すかね~……流石哲男君だ……)

(2重にも3重にも駆け引きして来やがる……面白い!)

2人の目の輝きがいっそう増す。

「ボックス」

レフェリーの声の後、すぐに哲男は左ジャブを放つ。そのままサークリングをするのだが、スピードが1段上がっている。

対する将士だが、こちらも頭を振るスピードが上がっており、ギアを1段上に入れた様である。

哲男の左ジャブをかわして前に詰めながら攻撃する将士と将士の攻撃をかわして距離を取りながら攻撃する哲男。何度かパンチが交錯するが、クリーンヒットがないままに1ラウンドは終了した。


青コーナー……

「まあまあの立ち上がりだが……」

「哲男ごときにやられ過ぎだ。主導権を渡すなよ」

「はい!」

「何が有ってもいい様に、心構えをしっかりね」

「はい、篠原会長!」

将士はまだまだこれからといった様である。


赤コーナー……

「頭は良さそうだな?」

「高校の成績は良かったですからね」

「哲男、最後は気持ちだからな」

「はい、勝つのは俺です!」

哲男もまだまだこれからである。

主導権はどちらに……

暇を見付けながら小説を進めます。

遅くなっていて、本当にすいません。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様でした! 試合はまだ始まったばかり、ここからが本番ですね! 拳人は試合見にきているのかな?
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