表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
268/290

予定変更

景介視点です

「貴斗、初音さんの件、報告は。」

「ん。昼前には粗方終了して、もう病院での診察も終わったみたい。駿弥も手術は未明に終わって、今は病院で大人しくしてるって。これ、報告書。」


若が渡した報告書のデータが入ったUSBを見て、親父が嘆息する。

お嬢の救出をメインで行ったのは、向こうの組員と若や俺を含む数人の組員。親父はそれほどタッチしてはいなかった。それでも、若の抜けた穴のフォローで親父たちも骨を折ったと聞いている。無事解決して安心したんだろう。


「景介、舞菜ちゃんも巻き込まれたんだろう?怪我はないと聞いたが、他に配慮するべきことはないか?」

「本人から、寝付きが悪いって聞いてるよ、父さん。一応、電話で話した限りじゃ、そんなに深刻な感じじゃ無さそうだけど、少し様子見が必要かも。」

「あれ。景介、いつの間に舞菜ちゃんと……。あぁ、休憩のとき?話せたんだ。」

「えぇ。夜明け前に送ったメッセージに通話で返信があったもので。それで、なぜ起きているのか聞いたら、寝付きが悪いと。」


あの後、舞菜は休めただろうか。1時間でも休んでくれればいいんだけど。

若や父さんと話しながら、頭の大部分を舞菜への心配が占めていく。たった30分程度の雑談で、襲撃された恐怖がなくなるとは思えない。舞菜とは、電話を切ってから連絡を取れてない。時間ができたら、様子を確認しよう。

その後は、お嬢救出の詳細を親父たちに確認してもらい、今後の処置についても話し合った。お嬢を監禁していた屋敷は現在、床板も引っ剥がす勢いで調査中。主犯格となる組は、組長を始め組員もその場にいた全員が茶戸家で捕らえてある。今も向こうの組員が情報を絞っているところだ。


「で、ウチで情報取ったら、警察に突き出すよ。罪状も十分にあるし、これで組長逮捕で、組も解散に持ち込めると思う。」

「そうか。……とうとう大事件になっちまったな。アフターフォローはしっかりしてやれよ。少なくとも、初音さんについては、お前が一番の適任なんだしな。」

「……うん。分かってるって。一応こっからでもフォローは入れるけど、今持ってる仕事巻きで終わらせて、初音に会いに帰りたい。次こっちから仕掛けるのって、申川の武器庫を壊滅させるやつだよね。それを半月遅らせて、往復込みで3日間。どう?」


若のご提案に、すぐさま頭の中でスケジュールを調整していく。

元の予定では、来週末に行うことになっていた。半月遅らせるとして、3週間後。若の抱えている仕事量は膨大。3日間も空けるとすると、相当詰めないといけない。


「貴斗、それは構わんが、必要以上の遅れが出るのは許容できん。お前の方で調整して、万事恙無く進むようにしておけよ。」

「分かってる。1時間、考えさせて。可能な限りリスクが出ないように調整するから。」

「ならいい。景介、悪いが、こいつのわがままに付き合ってやってくれ。」

「もちろんです。」


親父からの指示に頷き、俺と若は一時退出した。

若がお嬢と会うために3日間時間を取ると言うのであれば、俺の役目は、その3日間を若が憂いなくお嬢と会うための時間にできるようにサポートすることだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ