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組長確保

孝汰視点です

「あ、貴斗兄ちゃん。状況が動いたみたい。裏口の班も捜索に入ったよ。……ねぇ、貴斗兄ちゃん。なんか、思ったより人が少ないね。」

『そーだね。景介、ここの規模は?』

『この組のみであれば40人程度。ただ、後ろ盾となる巳窪が頻繁に出入りしているようなので、そこも出張れると考えると、200人前後はいてもおかしくないと踏んでいたのですが……。』

『初音を誘拐、拉致なんて大仕事の成功した日だから、集まっててもおかしくないのに、パッと見100いるかどうか。ここまで見立てと違うと、それも気になるね。』


貴斗兄ちゃんの考えに、僕も景介兄ちゃんも頷く。

人数が少なくてラッキー、なんて楽観視はできない。こういった違和感は、後々大きな反動になって返ってくることがある。だから、むしろ見逃さないようにしないといけない。

突入してから40分。ついに相手方の組長を捕縛したと連絡があった。


「わぁ、早いね。初音姉ちゃんは見つかった?」

『いえ、そちらはまだ。自分らはとりあえずこいつらを事務所へ運び入れます。ここからは捜索班がメインとなるので、そちらに指示を。』

『ん。お疲れー。さて。捜索班の班長出れる?組長を捕らえたってことは、ある程度室内の探索は終了したってことでいいのかな。』


冷静に貴斗兄ちゃんが問いかけると、現場に出ている組員から返答があった。


『表に出てる部屋は粗方。あとは隠し部屋や地下室などがないかの調査に入ることになります。』

『そっか。捕まえたっていう組長さんは何か言ってた?』

『周辺の援軍が今向かってるから終いだ、とは叫んでいましたが。お嬢がどこかとか何を企んでいるだとかは……。』

『ちっ。使えない。今更援軍なんて呼んだところで、どうとなることもないのに。景介、景介ってオンラインで情報取れる?』

『やったことはございませんが、若がご所望とあらば、情報を取ってみましょうか。』

「貴斗兄ちゃんたち、何言ってんの?ね、地下室とかの見つけ方ってあるの?」


不穏な話をする貴斗兄ちゃんたちの間に割って入って聞くと、すぐに貴斗兄ちゃんから返答があった。


『地下室って、湿度調整とか換気とかの設備とか、からぼりを作らないと使えないんだよね。当然だけど。地上と違って、壁にそのまま窓を取り付けることもできないし。』

「からぼり?」

『地下室の外に空間が必要なんだよ。まぁ、地下室なんて作るだけでも大掛かりだから、必ず外から見える形で痕跡があるはずだよ。そういうとこある?』


貴斗兄ちゃんの話に、現場の人たちが一斉に調べ始めたのが分かる。

本当に貴斗兄ちゃんはなんでも知ってる。僕は貴斗兄ちゃんほどなんでも知ってる人を知らない。

正直、本当になんのために知ってんだろとは思うけど。


『若!それらしき設備が見つかったかもしれません。』

『あ、あった?扉は?入口はある?』

『……見つかったそうです!』


現場からの声に、僕は思わずおぉっ、と声をあげた。

これでやっと、初音姉ちゃんが見つかるかも。

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