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気分転換

景介視点です

『え、良いんですか?ていうか、景介さんこそなんでこんな時間に起きてるんですか?30分って、ホントは大事な休憩時間じゃないんですか?』

「確かに休憩時間ですが、貴女の不安を解消させることに優先させるものではありません。貴女も余計な気は回さず、自分のことを優先させてください。」

『へへ。分かりました。……ねぇ、景介さん。私、迎えに来てもらうまでずっと怖かったのと、駿弥くんたちがどうなってるのか不安ですごくドキドキしてて……。駿弥くんは大丈夫ですか?』

「えぇ。手術も無事終了して、今は寝ていると連絡をもらっています。」

『よかったぁ。初音ちゃんは?』


舞菜からの当然の問いかけに、俺は一瞬言葉を詰まらせた。

お嬢は連れ去られ、未だ安否不明。すでに救出の目処は立てているとはいえ、予断を許さない状況であることには変わりない。ただ、そのことを馬鹿正直に伝えても、舞菜の不安を煽るだけだろう。


「……はい。舞菜が心配することは何も。大丈夫です。」

『そっかぁ、よかった。……じゃあ駿弥くんですね。すぐ治るといいんですけど。どうなんですか?』


無事誤魔化されてくれた舞菜に安心しつつ、話を続けていく。

いくつか話をしていると、俺のタイムリミットがきてしまった。そろそろ戻らなければいけない。


「舞菜、私は時間になるので戻ります。」

『あ、もう……。分かりました。お仕事、気をつけてくださいね。』

「舞菜こそ。……今日のことは私も肝が冷えました。舞菜、頼むから、俺の目の……手の届かないところで怪我しないでほしい。」

『はい、すっごく気をつけます。景介さんも、怪我しないように気をつけてくださいね。先輩を1番大事にしてるのは分かってるので、せめて2番目に自分を大事にしてほしいです。』

「分かってますよ。全てが終わったら、無事に帰ると約束します。そっちで大人しく待っててください。」


少し名残惜しさを感じながら電話を切り、若の待つ部屋へ向かう。

一睡もできなかったが、すごくリラックスできた有意義な時間だった。頭も気分転換できたおかげで、スッキリしている。


「若、ただいま戻りました。ありがとうございました。」

「んー。休めた?」

「はい。おかげさまで、心身共にスッキリしています。計画はどこまで進んでいますか。」


さっそく若のそばの椅子に座り、確認する。思っていたくらいまでは終わっているようだ。これなら、日の出と一緒に動くことができそうだ。


「なんとか朝イチで行動開始できそうですね。」

「うん。孝汰を追い立てた甲斐あったよ。後は現地に到着してからだね。それまでにこっちの仕事終わらせないとね。」

「えぇ。それでは報告書の作成と実働で分かれましょうか。どうでしょう、栗原さん。報告書に移行できますか。」

「少し時間が欲しいが、まぁ問題はないだろう。」

「じゃ、各々区切りついたら報告書まとめといて。できたら俺に集約して。」


若の指示に、それぞれが動き出す。俺も今までに集まった情報をまとめつつ、報告書を作成する。特に俺は、駿弥のことを単独で龍司さんとしていたやりとりがある。若や親父に詳細をお伝えできるように、漏れなく記載しなければ。

慌ただしく動いていると、直に行動開始の時間となった。坊っちゃんから、配置に着き終えたという連絡をもらい、若と顔を見合わせて頷いた。


「じゃあ午前8時30分。初音の救出作戦、開始!」

次話から孝汰視点です

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