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孝汰の仕事

駿弥視点です

「まず、明日の護衛については変更なしで。でも、明後日から3日間は貴斗兄ちゃんから少し仕事が送られてきたから、そっちに組員割きたいんだ。だから、人員配置を変えたいんだけど……。こんな感じでどうかな。」


孝汰が見せてきたデータを見て、頭の中にある周辺の地図と照らし合わせる。今の状況も反映して、俺ならと思うところに修正を加えていく。それを孝汰と共有して、決定案としていく。ここまでで一区切りだ。

きっと貴斗に言わせれば、まだまだ直すべきところはあるってもんだろうが、全部あいつに頼り切りじゃ、俺がここにいる意味もない。


「こんなもんだろ。孝汰から貴斗へに報告はしといてくれ。俺は宇咲さんと水輿さん、あと畑本先生には伝えておくから。」

「うん、分かった。駿弥兄ちゃん、よろしくね。」

「おぅ。……それはそうと、貴斗からの仕事ってなんだ?」

「んー、内部調査?なんか、おじいちゃんとこがきな臭いから調べといてって送られてきたんだよね。」


そう言ってケータイ画面を見せてきた孝汰は、うんざりした様子で肩を落としている。その様子を気にしつつ、俺は差し出された画面を覗き込んだ。


「……貴斗の言うじーちゃんって、ここの大元のドンってことだよな。」

「うん。茶戸本家の親父だね。あそこは利権とか色々ややこしくて内情ぐちゃぐちゃなんだよね。貴斗兄ちゃんも父さんも、あそこは魔界ってよく言ってる。絶対に行きたくないって。」

「魔界って……。親父さんの実家ってことだよな。」


確か、親父さんのお兄さんが数年前に殺されたとかで、貴斗のおじいさんが親父になり戻ったとか。この話を聞いただけでも十分本家とやらの恐ろしさは分かるけど、あの貴斗も親父さんも魔界と言うんなら、相当なものなんだろう。

にしても、本来なら後ろ盾になり得る本家がきな臭いってのは、信じられないな。本家の中に、茶戸を潰したい奴でもいるんだろうか。


「孝汰、それ調べるの手伝ってやろうか。」

「え?あー、ごめんね。貴斗兄ちゃんから、駿弥兄ちゃんには手伝わせるなって言われてるの。貴斗兄ちゃんの言う事聞かないわけにはいかないからさ。」


孝汰の言葉に、俺は思わず顔をしかめた。

純粋に手伝おうと思っただけだし、別に何がなんでもやりたいわけじゃない。けど、……あの野郎、手伝わせるな、なんて……。そんなこと言う事ねぇだろ。

貴斗に思考を先回りして読まれたのが気に食わない。助力を拒まれたのも、面白くない。

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