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駿弥視点です

「駿弥兄ちゃん。」

「お、孝汰。何だ?」


いつも通り茶戸家に入り浸る土曜日。宇咲さんも水輿さんもここにいる以上は安全だからと、俺は縁側でぼーっとしながらつかの間の休息を取っていた。

そこに声をかけてきたのは貴斗の弟の孝汰だ。

孝汰は妹の美南ちゃんと一緒に、事務所の統括を行っている。貴斗が出発する前に発破をかけたと言っていたが、俺の想像以上にしっかり考えて動いてくれるから、こちらとしてもやりやすい。


「駿弥兄ちゃんに聞きたいことがあってね。」

「俺に?」

「うん。ほら、僕って一応茶戸家の次男で、あの貴斗兄ちゃんの弟でしょ。全てにおいて、半端な結果を残すわけにはいかないじゃない。」


普通の顔でそんなことを言う孝汰に、俺は少し同情してしまう。

こんな普通の家じゃないところ、さらには業界で一番大きな組織である茶戸家に生まれただけでも、俺には経験できない大変さもあっただろう。その上、兄があの貴斗だ。本人が望まない大きなプレッシャーも多分にあったと思う。


「半端な結果……。お前も、貴斗を兄に持って大変だな。下手なことできないもんな。」

「あはは。そんなことないよ。それに、あの貴斗兄ちゃんを兄に持てるんだよ?これ以上の幸運ないでしょ。」


孝汰の口ぶりに、俺は苦笑して頷いた。

貴斗が言ってたとおり、孝汰と美南ちゃんは重度のブラコンだ。貴斗のことが好きでたまらないらしい。2人にしてみれば、貴斗が兄ってのは、まさに幸運という他ないんだろう。

貴斗は迷惑そうに言ってたけど、素直でいい弟妹だと思う。


「あ、でね。話戻すけど、今後の計画を確認してほしくって。共有もしたいし、今時間あったらどうかなって思って。」

「おぅ、大丈夫だ。ちょっと待ってな。すぐ準備するから。」


孝汰からの誘いに、俺はすぐ立ち上がり室内に戻った。色んな資料が山積みになってる中からノートとペンを用意して、孝汰と2人机に向かう。

俺は宇咲さんと水輿さん2人の守りを担ってるけど、日替わりで組員から出る護衛や何かあったときの対応などを監督するのは孝汰と美南ちゃんだ。2人とよく連携しなければ、十全な対応ができないため、こうしてよく話し合いを行っている。

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