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つかの間の……

初音視点です

頬を膨らませて会長を睨む舞菜ちゃんの、少し寂しそうな表情を見かねてか、駿弥くんが2人に声をかけた。


「景介、久しぶりに会ったんだし、水輿さんが名残惜しく思うのも分かるだろ。仕事渡してくれれば、俺はここで作業してるし、2人で少しくらい話してきたら?」

「駿弥くん!あんた神か!」

「駿弥……。あまり甘やかさないでください。」


キラキラと目を輝かせて駿弥くんを見つめる舞菜ちゃんと、対称的に冷ややかな目で駿弥くんを見る会長。駿弥くんは少し怯んだ顔をしつつ、会長の説得を続けていく。


「や、水輿さんも今まで経験したことない状況に置かれているわけだしさ。気ぃ張ってるだろうから、少しくらい時間取って話をしても問題ないだろ?宇咲さんには、俺がついてるしな。」

「駿弥とお嬢が……。若にこの状況がバレたら何と言われるか……。……まぁ、貴女の心労を取り除くのも私の役目だと言われれば、そうですね。駿弥、10分席を外します。お嬢は任せました。」

「了解。」

「それと、この状況を若に知られるのはあまりよくない気がするので、くれぐれも内密にしてくださいね。」


そう言い残し、会長は舞菜ちゃんの手を引いて部屋を出ていった。舞菜ちゃんも嬉しそうに会長に着いていってたから、たくさん2人で話してきてほしい。


「さて……と。宇咲さん、景介たちも行っちゃったし、2人でもう少しトランプとかしない?」

「いいの?会長のお手伝いとか、やることあるんじゃないの?」

「大丈夫。少しくらいサボっても取り返せるから。それに、仕事してる俺と2人きりでいても、宇咲さん手持ち無沙汰でしょ。なら、2人で遊んでた方が有意義だと思うんだよね。」


少しはにかんだように駿弥くんに私もそっか、と笑いかけた。舞菜ちゃんが置いていったトランプに手を伸ばし、シャッフルをしていく。


「じゃあ、トランプ借りて遊ぼ。何がいいかな。」

「10分って言ってたし、すぐに勝敗がつくゲームがいいよね。」


駿弥くんがスマホを向けながら色んなゲームルールを提案してくる。舞菜ちゃんたちが戻ってくるまでの間、私は駿弥くんとトランプゲームをしながら時間を潰していった。

まさかこの10分で、とんでもないことが舞菜ちゃんを襲っているとは思ってもいなかったけど。

次話から景介視点が始まります

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