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少し一息

初音視点です

「楽しそうだね。これは……何のゲーム?」

「えっと……ジン・ラミー?私達もネットで見てやってるだけで、よく分かってないんだけど、面白いよ。」

「へぇ、いいね。俺も混ざっていい?」

「もちろん。景介さんもやりましょ。」

「いえ、私は……って、ちょ、引っ張らないでください。」


面白そうに私の隣に座り込んだ駿弥くんに加え、舞菜ちゃんが会長を巻き込み、4人でカードゲームをすることになった。

駿弥くんと会長はさすがで、すぐにルールを覚えるから、すぐに私も舞菜ちゃんも太刀打ちできなくなり、最終的に2人の対決になっていた。私達が一緒にやっていたターンよりも色んな戦略が練られ、白熱した戦いを見せていた。


「……。」

「景介さん、カードあんまり良くないんですか?」

「黙っててください。」

「ブラフだろ、どうせ。場札から取ってったカードから推察できる。景介、お前今役2つくらい揃ってるだろ。」


同じ数字かマークを3枚以上揃えていくだけだから、組み合わせ自体はそこまで難しくも多くもない。でも、相手が持つ札でどのカードか分かるのは、場札から取っていったものだけ。手札も山札も見えないのに、どのくらい役が揃っているか分かるって、すごい。


「わ、すごいすごい!景介さん全部揃ってる。」

「えぇ。というわけで、こちらはジンです。」

「ちっ……2枚残った。」

「じゃあ、会長に25点ですね。次はどうします?」


結局、この回は会長が手札を全部役で揃えて勝った。今のところ、2勝1敗で会長が優勢だ。


「では、私はこれで終了とさせていただきましょうか。まだ仕事も終わっていないので、そちらにいかせていただきます。」

「勝ち逃げかよ……。まぁいいや。景介、俺にできることはあるか?手伝う。」

「あぁ。じゃあ、少し書類の整理を手伝ってくれ。お嬢、舞菜。私はここですべき仕事を終えたら、すぐ若の元へ戻ります。夜明け前には出られると思いますので、これで失礼させていただくことになります。」

「そうなんですね。」


会長がそう言い、まずは私に顔を向けてきた。


「お嬢。連絡を取り合っているようですので、若から色々と言われているかと思いますが、若は常にお嬢の身を案じていらっしゃいます。日々暴漢が狙っているというのは報告が来ているので、存じています。駿弥や龍司さんに任せ、自身の安全を第一になさってください。」

「はい。貴斗さんからもそう言われているので、大丈夫ですよ。駿弥くんも畑本先生もすごく気をつけてくれているので、今まで怖い思いをしたこともありませんし。」


会長の注意に笑って頷く。

私は駿弥くんや畑本先生に気を配ってもらってる。さらに遠くにいるけど、貴斗さんからも心配してもらえてる。こんな万全な状態だもん。不安だなぁと思うこともあるけど、怖いと思ったことはない。

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