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家に帰ってまずは

駿弥視点です

先生に家まで送ってもらい、俺はメールを2人の人物に送った。

まずは宇咲さんだ。無事に帰ったことを確認するだけだから、こちらはすぐ終わる。返ってきたメールにも、何事もなかったことが書かれていた。一安心だ。


「……さて、こっちはどう送るか。」


もう1人は言わずもがな、貴斗だ。ただ、こいつは本当に送り方に気をつけないと面倒くさい。もちろん、事が宇咲さんに関わることだから仔細を知りたいって貴斗の気持ちも分かるし、気になることをそのままにしたくないのも分かる。

でも……


「きた……。」


[お疲れー。

 また今日も来たんだね。初音にはけがさせてないよね?させてたら絶対許さないけど。

 で、来たのは何人?どこの奴?ちゃんと処理したよね?……]


この後にも何行も続く質問攻めに、読むのも嫌になってきて一度顔を上げてため息をつく。

毎回これだ。貴斗が納得できるまでエンドレス。今も現場で指揮を執ってる貴斗に比べれば、こっちなんてどうと言うこともないのかもしれないけど、俺だって暇じゃねぇんだぞ。

それでも、答えないことには終われない。俺は貴斗に聞かれたことに1つ1つ返答しては説明を重ねた。

結局1時間半も貴斗への返答に費やし、やっと貴斗から終わりのメールが返ってきた時には、俺は疲労で眼の奥が鈍く痛くなってきていた。


「っはぁ……。まじしつこい……。こいつも、1時間半も暇かよ。」


ベッドの上に倒れ込み、大きなため息をつく。

毎日この調子だからさすがにもう慣れた作業だけど、疲れるもんは疲れる。俺は明日の分の予習や今日の復習もしないといけないんだから、手加減してくれてもいいんだぞ。


「駿弥、ご飯できたよ。早くいらっしゃい。」

「はぁい。」


でもま、これはこれで貴斗と肩を並べて動けてるのかもしれないと思うと、多少は嬉しく思えるのも事実。俺がこっちで宇咲さんや水輿さんを万全に守ることで、貴斗や景介があっちで憂いなく動けるのだとしたら、この役目を全うするのに文句はない。あいつらが心置きなく動けることで守れるものは、俺にとっても大切なものなんだから。

とにかく、俺は貴斗と出会ってから経験した、この刺激的で心躍るありふれた日々を守るために奮闘するだけだ。

次話から景介視点が始まります

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