面倒なお片付け
貴斗視点です
「はーあ……。まじで疲れたんですけどー、親父ぃ。」
「んなこと言われてもなぁ。大体てめぇが加減ってもんを知らねぇからこうなってんだろうが。バカみてぇに暴れやがって。」
「だーってさぁ、こっちが下手に出てやったってのに調子乗ったこと抜かすんだよ?いくら心が海のように広い優しーい俺でも、我慢できなかったんだから。これ、俺悪くなくない?」
俺が初音から離れてから5日目。俺以下組員は、押収作業と書類処理に追われていた。
初音に無事に帰ると約束をしたことだし、あんまりいじめるのも多少はかわいそうに思ってあげてもいいかと少し甘い顔で茶戸家若頭の恩赦を与え、話し合いによる取引を申し出れば、何を勘違いしたのか偉そうに。やっぱり最初からキッチリ締めるべきだったと反省したのが一昨日。昨日1日かけて組織を壊滅させ、全員取っ捕まえたのはいいけど、暴れたせいで室内は荒れ放題、しっちゃかめっちゃかになってしまったため、まずはお片付けからというわけだ。
「んじゃ、その心の広ーい茶戸家若頭はこんくらいの始末も喜んでやるよな?てめぇの尻拭いくらいてめぇでやれんだろ?ちゃきちゃき働け、クソガキが。」
「しょーがないなぁ。けーすけー、これも運ぼっかぁ。あ、親父。言っとくけど、何があっても俺は明後日帰るからね。初音が待ってるんだから。」
「知ったこっちゃねぇ。帰りてぇなら仕事を終わらせろ。都合のいいマイクロソフトが、仕事放り出せると思ってんのか。」
「実の息子をマイクロソフト呼ばわりするとか……。さすがだね、親父ってば。狼でさえ、子に情を持つってのに。」
手は動かしながらも、親父との応酬は終わらない。周りの組員たちにとってはいつものことなので、もはや気にもされていない。
とにかく、この山と積まれた書類たちをどうにかしないことには、親父からのうるさい文句が止まらないだろうし、俺も中途半端は気持ち悪いから、早く終わらせたい。
「ねー、上層部の行動記録載ってるやつ持ってない?裏取引の状況証拠ー。裏取りしないと終わんないよー。」
「若!こちらにあります。すぐお持ちします。」
「んー。ありがと。さーて……やりますか。」
今回標的にしたこの組と、取引の相手と睨んでいる奴等の行動記録を擦り合わせていく。薬取引の日程、量、売買先。調べうる限り洗い出し、禍根の元を潰さねば、いたちごっこも終わらない。
俺の元に集まる書類やデータを重要度や内容別に分類分けしていく。景介と景太郎おじさんも横に並び、俺と同じように書類を分けていく。俺たちの元へ来る前にある程度組員が要不要を分けているとはいえ、凄まじい量だ。嫌になってくる。




