作戦会議!
初音視点です
貴斗さんから電話がきた翌日。私は、お兄ちゃんと駿弥くんと一緒に、作戦会議を開いていた。昨日思った、私にしかできないことを、みんなで探すために集まってもらったのだ。
「で、初音は何をしたいんだ?」
「うーん……。貴斗さんが喜んでくれるのは大前提だよ?でも、私が色々用意したもので喜んでほしいの。」
「そうか。つっても、俺は貴斗くんの好みなんて知らないしなぁ。駿弥くんはなんか心当たりある?」
「貴斗は結構王道とか刺さりそうだと思います。うーん、そうだなぁ。手料理とかどう?宇咲さん。」
駿弥くんからの言葉に、私は目を輝かせた。
手料理、なんか彼女っぽい!貴斗さんも喜んでくれそう!
今回は手料理にしてみよう。うん。昨日だってご飯あんまりちゃんとしたの食べれてないって言ってたし、私にも簡単なものだったら作れそうだし。
私は手料理にすると決めて、続けてさっそく何を作るか相談した。
「お兄ちゃん、駿弥くん。男の子が好きな料理って何かな?」
「うーん……そうだなぁ。やっぱ肉だろ、肉。俺も魚より肉派だしな!」
「男子……っていうか、貴斗は和食趣味な気がするな。この家でよく出るのって和食だし。舌馴染みがあるって意味でも。」
「う……確かに。」
貴斗さんの家では、よく和食が出てくる。そして、食べ慣れたものをおいしいと思うのも頷ける。駿弥くんの言う通り、貴斗さんが和食好きだとしても、おかしくない。
でも、私和食なんて作ったことない。難しいってよく聞くし、すごく不安になってきた。
「あの……私、和食作りたいけど……上手に出来るか不安だから、味見役、してほしいんだけど……。」
「おー。いいけど、ちゃんと食えるもん作れよ。」
「い、いいの?俺が味見役で。」
「うん。貴斗さんに下手なの出せないもん。それよりお兄ちゃん!さすがにそこまで料理下手じゃないよ!」
お兄ちゃんたちと何を作ろうか話し合い、定番の肉じゃがとおひたしを作ることにした。もちろん、これまで一度も作ったことなんてない。
そうと決まれば、さっそく練習だ。お兄ちゃんたちとスーパーに行き、必要な材料をたくさん買い込んだ。貴斗さんが帰ってくるまであと3日。それまでにたくさん練習して、貴斗さんにおいしいって言ってもらえる出来にしなければ。




