表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/290

駿弥くんとの付き合い方

景介視点です

「景介、明日の駿弥くんの。準備よろしくね。」

「承知しました。……若、1つお聞きしてもよろしいでしょうか。」

「んー?何?」


俺はその本意を確かめるべく、書類に向かっていた若に話しかけた。若は楽しそうに笑いながら顔を上げ、俺に応えた。

俺の聞きたいことに、検討がついているのだろうか。


「若は駿弥くんのことを、将来的にどのようにしようとお考えなのでしょうか。」

「受け入れることは絶対にない。それだけだね。」

「そうですか。承知しました。では私もそのように。」


若の簡潔な返答に、俺も簡単に応じる。

これまで若は、ずっと裏世界と表世界の線引きを明確にしてきた。駿弥くんのことは珍しくこちら側に入れているようだけれど、根本の考え方はお変わりないようで安心した。


「うん、そうして。よろしくね。……駿弥くんにこれ以上、こっちに関わらせるわけにはいかないからね。」

「そうですね。今でも、限度を超えている節がありますから。……まぁ、駿弥くんは、より関わりたいようですが。」

「ほんと、物好きだよねー。何があんなに駿弥くんに刺さったんだろ。俺とつるんでても、面白いことなんてないんだけど。」


心底不思議そうに首を傾げる若に、俺は苦笑を漏らす。若が素晴らしい方だからこそ、側にいて、共に歩みたいと感じているに違いない。若の側にいる理由なんて、若が素晴らしいから以外にない。


「駿弥くんも、若のご威光に触れ、その光に惹かれた者の1人ということでしょう。若の秀逸さは、万民に伝わるものですから。」


つまり、駿弥くんは俺の同志。そういうことだ。


「うへぇ……。景介が変な道に引きずり込んだわけ?やめてあげてよ、善良な学生を巻き込むのは。こっちとは関係のない、普通の世界に戻す予定なんだからね。」

「いえいえ。私は大したことなどしておりませんよ。」

「はぁ……。まぁいいや。景介、一応この件に絡めて江徒の動向調べといてね。くれぐれも駿弥くんに危険が及ばないように。裏で状況を動かせるなら動かしてもいいよ。やっぱ今回の取引はさ、動きが大きいし、抗争だってもう始まるだろうから。」

「承知しました。……抗争がいつ始まるかも、注視しておかなければなりませんね。」

「ほんとにねー。……卒業、できるといいね。俺ら。」

「えぇ。ですが、お嬢と共に卒業するというのも、また一興かと。」

「あー、ははっ。悩むねぇ。初音と一緒かぁ。それもいいかも。」


朗らかに笑った若に、俺もつられて笑いを溢す。

家の事情とはいえ、特殊な事例。出席数も危なくなるだろう。なんなら卒業式だって出席できるか分からない。受験も、日程によっては厳しいし、懸念点は他にもたくさんある。

抗争が始まってしまえば、俺らは動きが制限されてしまうから、今の内にやれることはやっておかなければ。

次話から初音視点が始まります。


10000PVを記念して、短編集を作り始めました。興味があれば、ぜひ覗いてみてください。


https://ncode.syosetu.com/n4878hp/


上がURLです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ