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VS 五大領主

「では、こちらにサインをお願いいたします。」


部屋にある全ての物が高級品だ。

豪華絢爛な部屋ではなく、応接室として人を迎えるための品の良い部屋でセンスを感じる。


サインを促された男は契約書の内容を再度確認し、机の上に置かれたペンを手に取る。


「本当にこの内容でいいのですかな?

私としては鉱山を返していただき、代わりに必要のない森を差し上げると言うことで願ったり叶ったりなのですがね。

この間の調査ではまだ廃坑にはなっておらず、まだ貴金属は採れますが、後から返せと言われても返しませんよ?」


初老の男は契約書にサインをする前に再度目の前の女性に問いただした。


「ええ、大丈夫です。

我が街には貴金属よりも森にある資源の方が有用性が高いですから。

もちろん、契約書を交わした後に返せだなんてことはありえません。」


ここはキボウの街、代表の屋敷。

応接室で対するはキボウの街代表のソラとツチノクニ五大領主が一人レイブン。


わかりました。とレイブンが言い、サインをした。

二人のサインが書かれた魔法契約書は薄っすら光ると二枚に分裂した。


「では、私はこれで失礼いたします。

ソラ様、今回はありがとうございました。

貴女方とはこれからなんども付き合いがあると思いますので、この先もよろしくお願いいたします。」


レイブンは挨拶をして部屋から出て行った。


数分後、部屋にはアベルと魔剣アベル、そしてカノンが入って来た。


「アベル様、レイブン様との契約終了しました。

予定通り鉱山返却を条件に北の森をいただくことができました。」


「あぁ、ありがとう。かなり大きな進展だな。これで…」


アベルが地図を広げながら続けた。


「森の中にある湖から水を引いて畑がかなり広げられるな。

あとは木材や薬草類も不足しなくなる。そして…。」


四人は顔を見合わせて頷いた。


「ツチノクニの奴らは気付いてないがここには迷宮があるからの。

討伐依頼中に確認したが迷宮はまだ生きておる。

迷宮が近くにある街は発展するからの。」


「鉱山との交換で北の森はアベル様の土地となりました。

迷宮もアベル様の持ち物となります。

北の森とキボウの街は徒歩半日の距離ですから間違いなくさらなる発展が期待できます。

ツチノクニからの反発は必死ですが、キチンとした契約書がありますので大丈夫でしょう。」


ツチノクニは国のトップに帝王がおり、その下に五大領主、その下に貴族、平民、と続く。

領主は土地の管理を任されている。

土地はただ拡げれば良い訳ではなく、今回みたく有用と思われる土地と不要な土地の交換や、他国からの売買、時には戦で奪い奪われるなどもある。


「貯めたお金で少しずつ周りの土地も買い占めましたのでキボウの街はこの先一万人以上が住める都市に押し上げることができます。」


ソラが地図に書き込みをいれながら説明する。


「よし、とりあえずは湖から水を引く工事と森の開拓。

それと迷宮周辺の整備と攻略だな。

攻略でき次第開放して街の人口を増やす。」


アベルは当面の目標を決めた。

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