これから
そしてカノンを先頭に一行は屋敷を後にした。
「全てお前の思い通りってか?」
アベルはカノンに聞いた。
「大方は。
ですが、あの甲冑の方があそこにいたのは私も予想外のことで驚いてます。
あの方は、この国の騎士隊長です。普段は王都にいて、国王様の近くにいる方なはずです。
あの方が本格的に私達を阻止しようとすれば、かなり厳しい戦いになっていたと思います。」
ホッとしたようにカノンは答えた。
「お姫様は未来がわかるんじゃないの?
ならなんでアイツがいることはわからなかったの?」
ミルクが素朴な疑問を抱いた。
「少し説明するのが難しいのですが、未来とは変わるモノなのです。
私が今やっているのは未来を変える行為なので、私が知り得ないことも起こってしまうんです。」
未来は行動次第で如何様にも変わる。
極端な話だが、歩き出すときに右足から歩くか左足から歩くかでも未来が変わることがある。
人の行動とは小さなことの積み重ねにより出来上がる。
「そ、それより普通に冒険者ギルドに向かってますが、追手の心配はしなくていいんですか?」
デクが不安そうに後ろを振り返りながら聞く。
「大丈夫でしょう。
甲冑の方はカゲのことも知っていた様なので、例えゲイル様が追手を放とうとしてもあの方がそれを止めるはずです。」
「あれにはビックリしたなー!
そのカゲって人達は何者なんだ?いきなり現れて兵士を刺して、んでまたいきなりお姫様のとこ戻って行って!」
カノンの答えにミルクがすげーすげー言いながら聞いた。
「あぁ、カゲは私の警護をしてくれている方々の名称です。
今回は三名同行してくれています。
二人は今ソラ様を救出に向かってますが一人はここに。
シロヒメ、出て来て皆様にご挨拶を。」
「先程は失礼いたしました。
私はカノン様付の護衛警護カゲをしておりますシロヒメと申します。以後お見知りおきを。」
カノンが言い終わると先程同様何もないとこからシロヒメが現れ、そして話終わるとまた突然姿が見えなくなった。
「さっきも思ったけど、本当に突然現れて消えるんだな。」
「ふふふ。不思議でしょう?
詳しいことは話せませんがヒノクニは不思議な国ですし、ツチノクニとは全然違いますから楽しいと思いますよ?」
そんな話をしていると冒険者ギルドに辿り着いた。
ゲイルの屋敷程ではないが、それなりに大きな建物だ。
もう夜のためか冒険者ギルドの周りにはあまり人影は見えないが建物の中からは声が聞こえて来る。
「よし、じゃあ冒険者になるか。」




