利害
「私に協力してくだされば、アベル様の望む未来へのお手伝いを約束いたします。」
カノンはそう言った。
「……協力か。具体的にはなにをどう協力するんだ?」
カノンの言葉が本当だとすれば断る理由はない。
だが、話が上手くできすぎている。
仮に本当に未来が視えたとして、何かの目的の為に俺達を利用しようとしている。
そう考えるのが自然だ。
「詳しい話は今はできません。
一度我が国に来ていただき、ヒノカミ様にお会いになってください。
全てはそれからお話いたします。」
カノンは目を閉じ少し俯向きながら答えた。
「そろそろ、ですかね。
これからこの部屋に使いの者がやって来て私達は別室へ呼ばれます。
その時、アベル様には三つの選択肢が用意されます。
アベル様が全てを望むのであれば、その時私に協力すると言ってください。」
閉じていた目をゆっくり開きながらカノンはアベルを見つめた。
「いったいなんの事……」
「失礼します。申し訳ございません。
ゲイル様がすぐに広間まで来るようにとのことです。」
アベルが話している途中で急に扉が開き使用人が部屋に入って来た。
客人の部屋にノックもせずに入って来るほど使用人は急いでいる。
「わかりました。話はちょうど終わりましたので広間まで案内よろしくお願いいたします。」
カノンはチラりアベルを見て行きましょうと声をかけ、使用人に付いて行った。
「クソッ、なにがなんだってんだ。」
アベルは悪態を付きながらも二人の後を追った。
◇◆◇◆◇◆
広間に着くとミルクとデクが兵士に押さえ付けられながらも、ゲイルに向かって何か怒鳴っているとこだった。
「ソラを返せ!」
その言葉を聞き辺りを見回すがソラの姿はない。
広間にはミルクとデク。
二人を押さえ付けいる数人の兵士と少し離れた場所にゲイル。
そしてゲイルの横には立派な甲冑を身に着けた兵士と恐らく貴族であろう、豪華な装飾を身に着けた男が立ってい。
「これはどう言うことだ!?」
アベルが魔剣を構えて叫ぶ。
「そこの二人がこちらに飛びかかって来たのでな。
すまんが取り押さえさせてもらった。何安心したまえ。怪我はさせてない。」
「ソラはどうしたんだ?」
するとゲイルの横にいた甲冑の男が口を開いた。
「ソラ様には馬車に行ってもらった。」
「なんだと?ソラをどうするつもりだ!」
「それを貴様に言う必要があるのかね?」
「ソラは俺達の仲間だぞ!もういい、お前達を倒して自分達で探す。どけぇぇぇぇえ!」
アベルは甲冑の男に斬りかかった。
「実力の差もわからんのか?」
魔剣の切れ味は凄まじく、例え甲冑でも当たれば真っ二つになるはずだった。
しかし、当たらない。甲冑を来ている相手に全て躱されている。
「フン。その程度の腕で魔剣使いとは。いいか?魔剣を自分だけが持っていると思うなよ?」




