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ここまでの道程

「本当に未来を視れるのならな。」


そう。本当に未来を視れるのなら、の話だ。


「アンタが巫女で、その年でヒノクニを治めてるって話はまぁ正直どうでもいい。

俺が興味あるのは未来が視えるって話だ。」


「えぇ。わかっております。

では、証拠の一つとして何故私がここにいるのかをお話しましょう。」


少し長くなりますからソファへどうぞとアベルに一声かけ、カノンは備え付けのベッドへと座り目を閉じた。


◇◆◇◆◇◆


未来視の力はある日突然目覚めました。


私は孤児院で育ちました。

孤児院は国の施設で何不自由ない生活を送れました。

勉強は当たり前で、食べるための畑作り、料理や洗濯。希望者には戦い方も教えてくれました。


その様な環境で育った者ですから、孤児院出身者は自らも孤児院で働くことを希望する人が多いんです。


私も孤児院で働こうと思い、国の施設で研修を受けていました。

その過程で私には高い学力と魔力がある事がわかり、孤児院ではなく国家戦略特区の学校への配属となりました。


孤児院ではないところの配属になり残念ではありましたが、私が育った孤児院の先生方に報告したらとても喜ばれ、安心しました。


国家戦略特区はその重要さ故、御神体のヒノ山の麓に街が作られています。

そこに入る者は限られた者だけであり、入る者は必ず神殿へと赴きその旨をヒノカミ様へ報告しなければならないのです。


そして、私が未来視の力を授かったのはその報告の時でした。


本来は巫女と言うのはヒノカミ様に仕える者の名称です。

私は国家戦略特区で働く旨を報告しに神殿に入り、専用の巫女服に着替え待機室で待っていた時でした。

突然一瞬目眩の様な現象に襲われ、ふと気付くと見知らぬ洞窟の様な所にいました。

不思議なことに驚いたりもせず、ヒノカミ様が呼んでいることがわかりました。

そのまま洞窟を進んで行くと少しだけ開けたところに出ました。

そこは小さな石でできた社があり、そこには気高くも優しい小さな炎のヒノカミ様がいらっしゃいました。


ヒノカミ様は、とある人を連れて来てほしい。

そのために私を待っていたと。

封印したトキノカミの持つ力を授けるからその力を使ってその者をヒノカミ様の元までお連れする。


それが私の役目であり、未来視の力を持つ理由です。


そこからはヒノカミ様のお告げで女王になり、未来視の力を使いヒノカミ様が探す人物と最良のタイミングで出会う様に行動して来ました。


そして、今日この日に至ったのです。


◇◆◇◆◇◆


「アベル様に会うタイミングとしては、魔剣と出会い自分達と同じ立場の者が安心して平等に生活できる場所を確保するために動く。

今この瞬間が最高のタイミングだったのです。」


カノンは閉じていた目を開き、アベルを見つめながらこう言った。


「私に協力してくだされば、アベル様の望む未来へのお手伝いを約束いたします。」



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