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一話 「運営放置するってさ」

あ、流れ星。


流れ星を見たのはこれで3度目だ。


一度目は3……4歳の時。あの頃は流れ星が何だか分かるずに母にいろいろ、教えてもらったんだっけ。


二度目は小学生5年生の夏、たまたま外に散歩に出かけてたら、ぼんやりと流れ星を見つけたんだよな。


確か、お年玉が去年より多く貰えますように、とか子供らしい願い事を頼んでたな。


確か、お年玉は結局去年より少なくて悲しかったのが思い出だ。


今回は何をお願いしようかな?


少し考え込むが、願いことは一つだ!


「このダンジョンから無事に脱出して、家に帰れますように!」


草原に寝転がりなから、夜空を見る。


ここは、VRMMO RPG「ヘルソウルド・オンライン」の中、第三階層のダンジョン内だ。


ゲームが開始され、約三ヶ月。


僕達、冒険者は必死の思いで、このゲームを進めてきた。


そして現在、最前線がいるのが、この三階層だ。


最前線の人達は寝たりしないで、ずっとダンジョンに入り込み、レベル上げや、BOSS部屋を探していることだろう。


僕も少し前までは最前線に参加しており、レベル上げをずっとしていた物だ。


だが、気づいてしまったのだ…


いくら最前線に居てもゲームはクリアされることは無いし、次の階層に行けるのも、あと半年後ぐらいだろう…


この三階層は夜空が生成される、神秘的な構造になっている。


星空を見るのが飽きたのか、立ち上がる。


「一旦ダンジョンに行ってみますか…」


ダンジョンはここから、そう遠くは無い。


僕が丹念に丹念を重ね、使えるようになったスキル「バーチカル」を使えばここら辺のモンスター達は二発ぐらいで倒せる。


第二階層でレベル上げしすぎたせいで、ランクアップまでの必要な経験値がびくとも動かない。


しかもRPGゲームで良くあるアイテムの持てる数が決まってるせいで、無駄に敵を倒すと、アイテムが満帆になり、整理をしないといけないので、雑魚敵はほぼガン無視している。


夜空が満天の中、草原を素早く走る。


ダンジョンの入り口は町から離れた場所。湖の真ん中にある。


ここのダンジョンにはこれで来るのは2度目。


一回目は最前線に参加していた時。


あのときは地獄だった。


プレイヤー同士で宝箱の取り合いを始めるし、後ろから魔法で援護攻撃するはずが、前で皆を守る、ブロッカーの頭に魔法が直撃し、

死亡させてしまうし…。


流石に、ダンジョンの入り口付近には人の姿はない。


だが、床にはモンスターの血らしき、血痕が飛び散っている。


僕はいりくんだダンジョンをどんどん進む。


曲がり角。僕はそぉっと、モンスターが居ないか確認するために曲がり角を曲がる。


ペチャ。


ん?何か足で踏んだか?


血!?しかも赤い!


これは冒険者の血なのか…?


血はダンジョンの奥の方まで、続いている。


そして血が途切れる。


すると、前にはとても小柄な少女が倒れていた。


「おい!お前大丈夫か!?」


少女はびくともしない。


とりあえず、止血しないと…。


「ヒール!!!」


これで大丈夫だろう…


「あなた、誰ですか?もしかして私を犯そうとしてました?」


────────────────────────────────────────────


このゲームが発売されたのが、丁度三ヶ月前ぐらいだろうか。


早速僕は発売当時にゲームにログインし、現実世界とほぼ同じ顔のアバターを作った。


「これが、VRMMOかー。」実際にVRMMOゲームをやるのはこれが初めてで感覚が馴れないが…


このゲームの趣旨は第290階層まである、ダンジョンを全てクリアすることだ。


サービス開始から1週間がたとうとしていた。


僕は最前線に居続けるために、ログアウトしないで、ずっとログインし続けた。


だが、サービス開始から一週間が立っても、第一階層のダンジョンさえも見つからない…。


一階層ずつのマップが広すぎるのだ。


1キロ×1キロととてもでかいマップに加え、強すぎるBOSS。


サービス開始から一ヶ月も立つと、流石の最前線プレイヤー達もだんだんと、ログアウトしていっている。


そして異変が起きたのはそれから少しした日だった。


運営からメール?何だろう…


「ヘルソウルド・オンライン」をプレイしていただき、ありがとうございます!突然で悪いのですが、私たち運営はこのゲームを放置することに決定しましたので、プレイヤーの方々は是非ログアウトする事をおすすめします。だと?


いやいやいや、その肝心なログアウトボタンが存在していないんですけど…


ここで、僕は冒険者チャットを見てみる。


・いや、マジで運営ふざけんなし!ここから出せよ!

・ログアウトボタン無いんですけど!

・この肉うめーな!

・お前肉食ってる場合じゃねぇだろ!

など、いろいろな、コメントが集まっている。


ん?何だ、このコメント。


・このゲームの中で死んだらどうなるの?


そんなの蘇生するに決まって…


いや、それは無い!運営が放置するってことは蘇生も機能しないってことだ!


このゲームの死は現実の死を意味するってことか。


そして、僕はウインドを開く。


オプションでこのゲームに入ってるプレイヤーの数が見れるはずだ。


ゆっくりとオプションを開く。


プレイヤー人数:13200人。


だが、どんどんその数字が減っていく。


いや、違うな。


どんどん人が死んでいく。


僕は急いで冒険者チャットを開く。


「この世界の死は現実世界の死を意味する」


急いでそう、チャットを投稿すると、


賛否両論。色々なチャットが送られてくる。


だが、一つ分かることはこのゲームから抜け出すにはゲームをクリアするか…運営がゲームに戻ってくるのを待つしかないのだった。





出来るだけ早めに投稿します

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