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吸血鬼、月子さんの日常(仮)  作者: 半信半疑
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8 清眼家の食卓

 朝です。新しい一日の始まりです。

 時間は六時くらいでしょうか。いつも大体それくらいに起きますから。

 辺りはとても静かです。マンションの皆さんは夜に行動する方ばかりなので、今、眠りにつこうとしているのかもしれませんね。


 さて、もうそろそろ起きないと、朝の仕度ができません。

 とはいえ、冬の朝は寒いので、あまりお布団から出たくないですね。

 ですが、あと二時間もすればお仕事の時間です。名残惜しいですが、魅惑のお布団ワールドから抜け出します。


 途端、襲ってくる冷気に体が震えてしまいました。ぷるぷる。

 逃れる術はただ一つ。


「すぐさま着替えることだけ…」


 私は、クローゼットにしまってあるメイド服を取り出し、着替え始めました。

 お布団の中で着替えるという方法もありますが、それをするとしわができてしまうのでえぬじ~です。


 は~。朝の試練は厳しいですね。

 私は布団に包まりたい衝動を抑えながら、朝の試練に立ち向かいます。


 まずはパジャマを脱いで、と…。



▼△▼△▼



 厳しい試練を乗り越え、私は覚醒しました。

「特別な力に」ではなく、「意識が」ですが。


 ちょっと上手いことを言ってみました。えへへ。

 以前、月子さんからお借りしたDVDを見て思いついた洒落です。月子さんに言ったら喜んでくれるでしょうか? 今度話してみましょう。


 さて、カーテンを開けると、光が射し込んできました。新しい朝という感じがして、とても気持ちがいいです。また一日が始まります。


 やるべき仕事はたくさんあります。そのためには精をつけなければなりません。これについては、有名な言葉が残っています。


「腹が減っては戦ができぬ、ですね」


 そう、私のお仕事もまた、「戦」なのです。埃や塵、汚れとの戦いです。


 ゆえに、ご飯を食べるのは義務なのです。決して私が、食べることが大好きな食いしん坊というわけではありません。ないのです! 

 …ないのですよ?


 こほん。

 気を取り直して、今日は何を食べましょうか?

 ご飯は炊き終わっていますから、お味噌汁でも作りましょう。あとは、目玉焼きやウィンナーでも焼きますかね。焼き魚は、後片付けが手間ですから控えておきます。


「うーん、あと一品くらい欲しいですね~。ここはひとつ、冷凍食品のおかずから選ぶことにしましょう」


 私は、冷蔵庫の冷凍室を漁りました。最近の冷凍食品は凄いです。大抵の食品がありますし、何より美味しいです。お料理にかける時間を短縮できますし、良いこと尽くめですね。


 とはいえ、私はお料理を作るのも好きなので、冷凍食品をメインにすることはあまりないのですけど。まぁ、忙しい朝の心強い味方ではあります。主婦・主夫の方々の味方でもありますね。


「今日はこれにしましょう」


 取り出したのは、二、三日前に買ったものです。レンコンの間に魚のすり身などを挟んで揚げたものですが、食感といい、お味といい、素晴らしいの一言。重すぎないし、朝食には良いと思います。


 レンジでチンすれば、すぐにできてしまうので、先にお味噌汁づくりに取り掛かります。もちろん、出汁から取りますよ? こうした一手間がお料理を美味しくするのです。具材は、自家製のお野菜です。


 そうです、家庭菜園でお野菜を育てています。お料理と同じで、お野菜も手間暇をかけると美味しく育ってくれるのです。広い面積で育ててはいないので、そこまで手間でもありません。


 そんなお野菜を、刻んで出汁に入れていきます。時間短縮のために、同時進行で目玉焼きやウィンナーを焼いていきます。


 あとは、頃合いを見て味噌を溶かしたり、目玉焼きとウィンナーをお皿に盛りつけたり、レンジでチンをしたりします。


 そんなこんなで、お料理完成です。

 お茶碗にご飯をよそって、美味しい朝の食卓です。


「では、いただきます」



▼△▼△▼



「ごちそうさまでした」


 お布団で寝るのと同じくらい、至福の時間でした。


 食卓の描写に文字を費やそうと思えば、それこそ原稿用紙五十枚分を費やせるのですが、朝から疲れてしまうのは私の本意ではありません。ですので一文だけで止めておきます。

 

 さて、お次はお仕事ですね。頑張りましょう!


不羅宇「甘いものも好きですが、その他の食べ物も大好きです」


彼女は、食べる行為そのものが好きなようです。


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