こわがり
「え………?ネコのぬいぐるみなんてあったかな?」
ん?何か聞こえた。振り返ってみる。
「ひっ!ひぁああ!ね、ネコのぬいぐるみが振り向いた!?」
なんかすごい叫び声がした。怖がりなのだろうか。
どんな人物なのだろう。ちょっと見てみるか。
後ろに身体の向きを変えて、見てみた。しかし、
「って!?わあああああああ!?」
そこに居たのはどう見てもヤバイ顔の人だった!背は優に180cmはある。体や腕に付いた筋肉は危険な香りしかしない!
「!?ネコのぬいぐるみが驚いてる?一体何なんだ??」
その男は落ち着いたのか、トコトコとこちらに向かって歩いてきて、頭を軽く掴んだ。
ぬいぐるみと言うのは頭を掴まれると抵抗が虚しい。
パタパタと手足を動かしてみたが、無駄だったのは良くわかった。当たらなかったからね。
「化物かと思ったが、ホントに動くだけのぬいぐるみか。驚いた俺が馬鹿みたいだ。」
むっとなったので、つい喋ってしまった。
「化物なんかじゃないぞ!生まれ変わった鐘道弓雄だ!」
そう叫んだら、掴んでた手がポトリと離れた。
わあ。と驚きながら床に落ちた。
「し、し、し、喋ったー!??!ネコのぬいぐるみが喋ったー!?」
考えてみたら、そりゃ驚くか………と俺は元に居た場所に戻った。
そして、男はあっとゆう間に部屋から消えた。