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第一章2

ルーク・ブレイバーン。25歳。髪型はいつもオールバックで統一していて、容姿端麗、身長は175cmで痩せ型だが筋肉隆隆。


ルークの父親は鬼人だった。母親は、ルークを産んだ後すぐ、死んだ。


原因は不明。鬼人の父親だけが家族だった。


鬼人の特徴である、赤い眼を持った父の人間とは思えぬ

凶悪な行動に幼い頃にすでに危機を感じていたルークは、10歳の時父親から逃げた。

それから18歳までずっとある男のもとで剣の修行をする。

なんでも屋を営み始めたのはそれからである。



話は屋敷に戻る。

「で、その手伝いがこの畑仕事か?」

思っていたものと違ったので思わず口に出てしまった。


「そうだ。まずはな。いい動きをしてるな、経験があるのか?」


「まあな。依頼で一度」


「なんでも屋というのは本当になんでもやるのだな。他にはどんな仕事を?」


「人捜しや、狩りの手伝い、護衛、傭兵、あと殺しの依頼もたまに来る」


「なるほど。剣の腕があるのはそういうことか」


「俺からも質問していいか?」


「ああ、どうぞ」


「この屋敷には何人住んでるんだ?」

単純に気になった疑問をぶつけてみた。


「15人ぐらい?だったかな。昨日、君も見た金髪でポニーテールの子が孫娘のリリーで、執事のケインとあとは13人の手伝いだ」


「なるほど」屋敷の規模に反して、案外少ないんだな、と正直思った。


「ここらで休憩にしようか、ルーク君」

「分かった」


「お爺様〜〜!」

この元気な声には聞き覚えがある。ジェイコブの孫娘のリリーだ。

「どうした?リリー」

「お客様です」

「・・・来たか」

ジェイコブは、突然神妙な面持ちになり正面玄関へ向かった。なにか重要な客なのだろうか。


「ようこそ先生!今日はリリーにご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いします!」


話を聞いて納得した。


「魔法の講師か。なるほどな」

「私もある程度の魔法は会得しているのだが、教えるとなると難しくてね」




「いいか、まず魔法というのは生まれつき備わってる人間や、ある程度年を重ねてから学ぶ人間、様々だ。君は後述の人間だ。会得するのは苦労する」

「はい!頑張ります」


同い年ぐらいだろうか、魔法の講師にしては若い。

「ヘンリー先生!紅茶でもどうですか」

「スレイブさん!ありがとうございます!お孫さん、飲み込みが早いので俺も教え甲斐があります!」

「お!そうですか〜!自慢の孫です!」


どうやらこの仕事に慣れているようだ。


「何をやってるんだ。俺は」

ドアの前に立ちふと、思う。

依頼の依頼主に一刻も早く報告しなければならないのにできていない。

ただジェイコブには昨日、回復魔法で一晩で怪我を治癒してくれた恩もある。


「恩を返さないわけにはいかないか」


そう思い、自分を奮い立たせる。

「待たせてしまったな、ルーク君。次の仕事だ」

次はなんだろうか、皿洗い?家畜の追い込み?

「狩りだ」

「よし、やっと剣を使わせてくれるか」

「存分に使ってくれ」



セイジの森。

「まさかここで狩りをするとはな」

「安心しろ、もう鬼人はここに居ない」


実はそうとも限らないのだ。そう思っていたら、突然襲われたのだから。

狩るのは馬鹿でかいイノシシで、滅多に姿を現さないらしい。

見つけるのは一苦労のはずだが・・・・


「おい。あれじゃないか?」

「なに!?そんな馬鹿な」

間違いなく木々を薙ぎ倒しながらこっちに向かって突進してきている茶色のその物体は、イノシシだった。

ぶつかる寸前に高く飛び、背中に背負っていた剣で薙ぎ払う。

「はあ!!」

大きなイノシシの体は横に寸断され、森全体に大きな音を響かせながら倒れた。


「ははは!見事だ!君の実力が私の見込んだ通りのようで嬉しいよ」

「そりゃどうも」

一瞬見えたイノシシの眼はどこか、記憶に新しい赤い眼をしていた気がした。


「今日はありがとう。明日も頼むな」

「あんたへの恩返しはいつまで続ければいいんだ?」

「気が済むまで、だよ。安心してくれ。もうすぐ気が済む」

「そうかよ」

荷車に切り刻んだイノシシの肉を乗せ、屋敷に戻った。



皆が寝静まった時間。目が冴えて眠れない為、外で空気でも吸おうと屋敷の広い庭に向かう道中、馬小屋から微かに声が聞こえた。

「誰だ?こんな時間に」


「・・・・・ああ、順調だ」リリーに魔法を教えていたヘンリーだった。泊まりがけでリリーを教えているらしい。

「わかってる。明日の準備は出来ている。ただリストに載っていない人間がいるぞ。ルークという男だ。・・・・・何!?分かった、警戒しておくよ。

・・・・ああ、では」

思考転写の魔法を使って誰かと話しているようだ。

「明日の準備?俺を警戒?・・・ただの講師じゃなさそうだが」

こっちに向かってくる。疑問はあったが、バレれば面倒なことになると踏みその場を離れ、部屋に戻った。



翌朝。

「よし。今日も手伝ってもらうぞ?ルーク君!今日は、ほとんど狩りだ。またその腕をふるってもらうぞ?」

「分かったよ」

腕が振るえるのは嬉しいが、今は昨晩のヘンリーの件が気になって仕方ない。



突然、耳を擘くような大きな鐘の音が聞こえた。

「何事だ!」

「カロリド城下街にて、鬼人の出現を確認!住民は直ちに安全な所に避難してください!!」

「!?」


耳を疑った。

ついに鬼人が大きく打ってでた。


































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