表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/35

三種類の終わりを作ってみました。内容はそれぞれ違います。

おまけ〜碧〜

 あれから、数時間後・・・・俺はそろそろ集合時間へと近付いていることに気がついた。今回の祭りは、それぞれ好きなことをするということでばらばらに行動していたのだ。


「さて、そろそろ・・・皆が待ってるかな?」


「お〜い、輝君!!」


 あちらのほうに居るのは碧さんの様だ。両手に食べられるのかと聞きたいくらいの大量の食べ物が握られている。


「皆はまだですか?」


「ええ、さっき二人にたまたま会ったけど、葵ちゃんは射的に夢中で、加奈ちゃんは不良を倒していたの。」


 どうやら、他の二人が来るのは本当に後になりそうだ。まぁ、あの二人の事だから大丈夫とは思うが・・・・まさか、そこいらの人を襲って食べるってわけでもないだろう。


「私もね、途中おいしそうな人がいたんだけど、これ買って我慢したの。」


「・・・・・。」


 忘れていた。碧さんが人にかじりつく癖があったのを・・・当初、俺も噛み疲れた記憶が生々しく覚えている。まぁ、今日は色々食べてるから大丈夫であろうが・・・。


「輝君、ちょっと何か食べに行かない?」


「え、ええ・・・いいですよ。」


 俺は世界が平和になる選択肢をえらだつもりだ。もしも、ここで拒絶していたら俺が食われる。それは断固として拒否したい。


「うふふ、デートね?」


「そうですね?久しぶりのような感じがします。」


 俺は碧さんとくっついて歩き、色々な屋台の食べ物を総なめにしていくことにした。ぶっちゃけ、俺としては二件目のたい焼きでギブアップだ。


「ほりゃ、はへない?」


「何を言ってるか分かりませんよ。それに、これ、食べないって言ってるのならいりません。少々、食べ過ぎましたから・・・。」


「ほ・・・」


 ああ、俺はいつの間にかこの人が何かを口の中に入れていても何を言いたいのか分かるようになってしまった・・・まぁ、いいことなんだろうな。


「輝君、この前は騙すような感じで『聖地』に連れて行ってごめんなさいね?私がどれだけ謝っても償えないことだと思ってるの。」


 俺はポツリとそんなことを言った碧さんの悲しそうな横顔を眺めた。嘘をついているとは到底思えない顔である。まぁ、俺の目がおかしいだけかもしれないがね。


「いいですよ。例え、騙されていても俺は碧さんに騙されるなら本望です。」


「・・・ありがとう、輝君。」


 俺は、少し元気になった碧さんの顔を見れただけで嬉しかった。誰にでも、嬉しそうな顔は似合う。嬉しい顔を偽らなくてはいけない人は俺から見たら悲しいのだろうと思う。


「さ、そろそろ戻ろうか?」


「そうですね。」


「帰ったら勉強ね?」


「うぐ、そ、そうですね・・・。」


 俺は綺麗な横顔の碧さんをちらりと見た。


「あ・・・。」


「あ・・・。」


 目が合った。碧さんの頬が赤く染まる。


「輝君、何を見てるのかな?」


「碧さんの顔です。綺麗ですよ、その嬉しそうな顔。」


 俺は碧さんの照れ隠しのはたき攻撃をすんでのところで避けた。ふ、流石に碧さんのお願いでもあのびんたを食らったら立ち上がれなくなるかも知れんぜ。


「こら、避けるな!」


「危ないですって!!」


「年上のお姉さんを馬鹿にすると許さないわよ?」


 俺は碧さんより先に二人が待っている場所へと駆け出した。俺の後に碧さんが続く。


「輝君、もう、私を置いていかないでね?」

〜碧 エンド〜


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ