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加奈

三種類の終わりを作ってみました。内容はそれぞれ違います。

おまけ〜加奈〜

 あれから、数時間後・・・・俺は迷子となってしまった加奈を探す羽目になってしまったのであった。少し、目を放してしまった隙に何処かに消えてしまったのだ。葵たちとは射的屋の前で三十分後に待ち合わせをしている。


「・・・どこ行ったんだ?」


 俺は人ごみを掻き分けて探す。全く、迷子になるなんておこちゃまだな。俺が小さい頃はな、その〜何だ、迷子なんて多分、なかったぞ?


「・・・加奈〜、どこにいるのかなぁ?」


 まぁ、なかなか見つからないな。ちょっと、不安だ。もしかして・・・・誘拐か?身代金か?


「ねぇ、お嬢ちゃん、一緒に祭りまわらない?」


 そんな時、不良グループの一角と思われる連中が少女を誘っている場面に出くわした。


「無理よ!私はちょっと迷子なの!」


 うぅむ、そのお嬢さんも気丈に自分が迷子だと訴えている。おいおい、自分から迷子って言うのもどうかと思うがね?何処かで聞いたことのある声だな?


「なら、探してあげるよ。ほら・・・」


 男が手を伸ばした先には加奈が居た。加奈はどうやら俺の顔を見つけたようだ。


「お兄ちゃん!」


「お兄ちゃん!?」


 加奈は走りよってきて俺に引っ付いた。


「なんでぇ、家族できてんのかよ?しけてやがらぁ。」


 どこの不良だ、お前は。まぁ、不良は次の獲物を探しに消えてしまった。


「加奈、ちゃんと葵の手をつないでいろって言ったじゃないか?」


 俺はこの芝居上手ながきんちょを叱る事にした。


「だって・・」


「だっては言い訳!!」


 黙りこむ加奈。ちょっと言い過ぎたのかもしれない。ま、まぁ・・・ここらじゃあれだ、なんだか近くの人の視線がかなり痛いのでそろそろ許してやったほうがよさそうだ。


「まぁ、何事もなかったから俺も探してよかったよ。ほら、泣くんじゃない。」


 俺は泣いている加奈の手を引っ張って歩かせることにした。急いで何とかしないと警察が来てしまいそうだ


「ほら、りんご飴買ってやるから泣くなって。」


「う・・・ん。」


 近くからはなんだか非難の声が聞こえてくる。


「物で誘ってるよ・・・。」


 そんな声が聞こえてきている。ふ、しょうがないじゃないか。だって、俺はどうしたらいいのかさっぱり分からないんだもん。ここは急いで葵たちの元へと行かなくては・・・・。


「加奈、葵たちのところへ行くぞ?」


「ちょっと待って・・・輝、足怪我してるからおんぶしてくれないかな?」


 いつもは小生意気なところのある加奈がそんなことを言っている。まぁ、たまにならいいか。


「大丈夫か?」


「うん。輝、ごめんね?」


「何がだ?」


「迷子になったこと・・・まだ、怒ってるよね?」


 俺はどう答えたものかと悩んだが、一つの結論を出した。


「まぁ、迷子はよくあることだ。気にするな。」


 後ろのほうだから加奈がどんな顔をしているのかは分からない。


「ありがと、お兄ちゃん。」


「何か言ったか?」


「・・・別に。」


 加奈はそれまで出来るだけ俺に体重を掛けないように努力していたのか、急に体重を掛けてきた。

 俺は、途中、加奈が何かを言ったような気がしたが・・・聞き取ることは出来なかった。


「輝・・・お兄ちゃん、ずっと、一緒だよ。」

    〜加奈エンド〜


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