葵
三種類の終わりを作ってみました。内容はそれぞれ違います。
おまけ〜葵〜
あれから、数時間後・・・・俺は皆とはぐれて迷子となってしまった。めったにこんなお祭りに来ないし、その昔、財布をすられたこともあるのでできれば人ごみは勘弁してもらいたいのだ。まぁ、こんな感じで俺は一人、ふらふらと人ごみの中をまるでくらげみたいに歩き回っていたのだった。
「・・・・はぁ、皆どこ行ったんだ?」
俺は一人射的の前で時間を潰すことにした。時間がたって人も少なくなれば会う機会が増えるに違いない。
「おじさん、チャレンジするよ。」
「あいよ。」
俺は射的のおじさんから銃を渡され、品定めをする。
「さて、どれをねらうかねぇ。」
上のほうにはゲーム機が置かれており、こんな銃でどうやって落とすのだと聞きたい。いや、落ちないだろうなぁ。なら、下のほうのお菓子でも狙ってみるか・・・。
「せりゃ。」
狙った獲物とは違うものが獲れた。なんだ、この変なぬいぐるみは?赤い、バルタ○星人か?
「あ、いたいたぁ!!輝さん、何してるんですか!皆心配してますよ?」
「葵!!いやぁ、よかったよかった。迷子になってたんだよ。」
「言われなくても分かりますよ。」
そして、今度は俺の手元に居る赤い物体を眺める。目から、『お母さん、これ欲しいよぉ。』光線が出ている。まぁ、あれだな・・・葵には色々と世話になっているし、たまたま取れてしまったものだ。やっても構わないだろう。
「葵、プレゼントだ。」
「え、いいんですか?こんな可愛いのもらって?」
あいにくだが、これを可愛いといえるのはお前ぐらいだろうよ。俺には一ミリも必要ない。
「ありがとうございます。」
そんなに嬉しかったのだろうか?葵は終始、ニコニコ顔であった。
「さぁてと、なら・・・もうちょっとだけ弾が残っているから全部使い切るか。」
俺は残りの弾を一番重たそうなゲーム機に向けて連続発射した。
「坊主、またチャレンジしてくれよ?」
「・・・・まぁ、今度はもうちょっと軽いゲーム機でもおいといてくれると嬉しいですがね。」
俺は、葵と手を繋いでその射的屋を離れた。何故かって?まぁ、当然のようにゲーム機は手に入らなかったからさ。
「葵、皆はどこだ?」
「え、あっちじゃないんですか?」
適当な方向を指差す。
「・・・もしかしてだが、お前は集合場所を知らないのか?」
「いいえ、確か・・・あっちの方向ですよ。」
そして、先程とは違う方向を指差す。
「どっちなんだ?」
「迷子の子が泣いていたところで落ち合うようにしていたんです。」
俺たちの前を泣いている男の子が母親の手につながれて歩いていった。
「マー君、お母さんの手を離しちゃ駄目よ?迷子になるからね?」
「うん。」
こうして、迷子は二人になってしまった。やれやれだぜ。
その後、俺と葵は二人でゲーム機を落とすために所持金のほとんどを射的屋に使い込んだのであった。
「葵、なかなか二人とも迎えにきてくれないな?」
「そうですね。」
こうして、俺はその日の祭りをほとんど無意味に過ごしてしまったのである。
結局、俺と葵の両名は祭りが終わりを告げるまでその場いた。二人とも先に帰っているだろうと思って俺は葵の手を握って家に帰ることにした。
「葵、手を・・・離すなよ?」
「輝さんこそ・・・きちんと手を繋いでないとすぐに何処かに消えますからね・・・。これから先は、私がきちんと貴方の手を握ってますよ。」
「へ、俺は子どもじゃないっての!」
俺と葵は二人して暗くなった帰り道を歩いて帰ったのであった。〜葵エンド〜




