ばばばば!ばあちゃん!
三、
夜に飛べば姿が消せると思ったが間違いだった。俺の体は白銀に輝いており、少しの光で強烈な光を辺りに振りまいている。これだったら月明かりの光だけで、勉強が出来るに違いない、無論、蛍の光でもオーケーだ。
誰にも気づかれることなく、自宅の近くまでやってくることが出来た。はぁ、かなりの時間が経ってしまった。さて、これからどうしようか?
「・・・・ほぉ、ようやく戻ってきたか、輝。」
こ、この声は・・・・俺を殺した人物だ。つーことはばあちゃんか?くそ!!この俺の姿を一発で見破るなんて・・・・あんた人間か?
「・・・・かわいそうに・・・そんな姿になってしまってのう。」
一見、とても哀れんでいるように見える。
いや、確かに哀れんでいるのだが、何故だかこの先俺の身にどのようなことが起きるか簡単に想像できた。俺のばあちゃんは確かに優しい・・・だが、それは武士の情け!苦しんでいる相手がいたら問答無用で崖につかまっているのなら、落として楽にしてあげるし、元、人間だった連中を今度、人間に生まれ変われるようにあの世に送るのだ。
「・・・・今度こそ、天国に送ってやろう。」
「ぎしゃゃゃ!!」
や、やられてたまるか!!今度こそ絶対にばあちゃんを倒してみせる!!いや、倒せなかったら再び死んでしまう!!
俺はばあちゃんに襲い掛かった!!だが、顎、胸、股間を瞬く間に突かれ・・・・家の玄関に叩きつけられた。・・・・ああ、もう駄目。てか、前より数倍強くなってんじゃない?
「・・・・輝、強くなれ。ばあちゃんは旅に出るからね。」
「・・・・ま、待って・・・ばあちゃ・・・。」
ばあちゃんは俺の視界から消えた。
ああ、今回は殺されなくて良かったけど・・・・爺さん、負けてしまったよ。
所詮、俺は孫だったよ。生きてきた年数が違う。・・・・・あれ?確か爺さんは98ぐらいで死んだって思うけど・・・・聞いた話じゃ、ばあちゃんは爺さんの年上だったって言ってたぞ?いったい、俺のばあちゃんは何歳?と、そんなことを考えていた俺の意識は黒い幕で覆われたのであった。ちゃんちゃん!!
日の光が俺の顔にあたり俺は目を覚まして辺りを見回す。ここは、どこだ?真っ白な壁、真っ白なベッド。どうやらここは病院のようだ。あれ、何で俺は病院にいるんだ?いったい、何があったんだ?
自分の体を見渡す。体中に包帯が巻かれていてまるで、ミイラ男だ。
「・・・・なんでこんなところに寝てんだ?」
考えてみた。・・・・あ、そうだ!!思い出した!!俺は確か、土手を帰っていたら蛇のような生物に出会って・・・・・(中略)・・・・で、確か、龍になって家に帰ろうとして・・・・あれ?全く思い出せない?あいててて・・・しかも思い出そうとしたら頭が痛い!?
「・・・・く、ナースコール!!カモン、看護婦さん!!」
俺はナースコールを押して気を失った。最後に聞こえてきたのは懐かしい、誰かの声であった。
次に目を覚ましたのは自宅の元、自分の部屋だった。どうやら、ベッドに寝かされているようだ。
「あ、目を覚ましました!!」
「・・・・葵?」
と、いきなり葵が俺に飛びついてきた。く、食われる?
「・・・・心配したんですよ?」
「あ、すまん。ところで・・・・なんでここにいるんだ?」
ここにいたのは、葵、おばさん、加奈、碧さん・・・・あれ?
「・・・・穂乃香ちゃんは?」
「穂乃香ちゃん?誰ですか、それ・・・。」
俺は、皆に穂乃香ちゃんの説明をしたが誰も覚えていなかった。?どうなってんだ。ま、それは後で調べるとして・・・・。
「いったい、俺は病院で何をしていたんだ?」
その後、簡潔に加奈に説明してもらった。
いや、何で加奈が説明するんだ?説明するなら碧さんとかの方が得意そうだが?まぁ、それはおいておくとして・・・加奈の説明によるとこうなる。
俺が死んで、三ヶ月。
そして、発見されて一週間。
その間俺はどうやら気を失っていたらしい。
そのときの描写は凄い。
どうやら俺は自宅の玄関の前で血まみれで倒れており、瀕死の状態だったそうだ。
あたりには鴉が寄ってきていたらしい・・・・それで、朝一番に気がついたのは新聞屋さんで、急いで警察と救急車を呼んだそうだ。
そして、俺が死んだことを知った彼ら青ざめた。
そりゃそうだ、事実、俺は死んでいるからな。さて、驚いた警察は家に住んでいた全員を捕まえ、色々聞いたらしい。だが、葵たちも驚いていたので全く事件に進展はなかった・・・。結果、俺はとりあえず生きているのでこれで良しといった感じになったらしい・・・・いや、一応警察が俺のことを呼んでいるらしいが?
「まぁ、生き返れてよかった良かった。」
「良くないです!!」
「そうよ!!」
「そうだよ!!」
はぁ、やれやれ。ま、これで何とか丸く収まるかもしれない。だが、俺の幼馴染はどこに行ったんだ?なぜ、誰も覚えていないのだろうか?
「さて、とりあえずはこれでいいとして、輝。」
「なんですか?」
「お前、まだやってないことがあるだろう?」
なんかあったかな?・・・・・ああ、思い出した。
「・・・・わかりました。明日の学校終わってから行ってきますよ。」
しかし、あたりの皆は笑っていた。なぜだ?間違ってたか?あ、今はどうやら夏休みらしい・・・・。なんか、騙された気分だ。




