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輝の新たな苦悩の始まり?

二十四、

 汚物を綺麗にふき取り・・・ふき取ったのは俺のシャツを引きちぎってタオルの代わりに使った。おかげで、俺のシャツは上半分となってしまった。アンダーシャツを着ているので露出はしていない。


「さて、怪我も奇跡的にしてないみたいだし・・・行こうか?」


「了解、マスター。」


 そして俺は紀伊と二人で鳥がいなくなった道を歩き始めたのだが、ふと、指を鳴らして振り返ってみた。


「金色に光っている毛なんて珍しいから記念に貰って行こうっと。」


「大丈夫なんですか?マスター。」


 俺はそんな紀伊の忠告も聞かず・・・鳥の尻辺りの毛を一枚失敬した。その毛をポケットに入れてさぁ、出発進行だと紀伊のほうへと振り返ったのだが・・・。


「・・・マスター、今、その鳥動きませんでした?」


「・・・え?」


 後ろを振り返ってみると、鳥は動き出した。ただ、動き出した挙句に目も開けられないほどの光を発したのであった。


「うわぁ!」


 二人して目を塞いだのだが、次の瞬間には既に光は消え去っていた。そして、鳥も消えており、俺たちの目の前に倒れていたのは少女であった。


「・・・・マスター。」


「知らん。俺は何も知らん。」


 この場はさっさと退いたほうがいいと思ったのだが・・・何故だか、足が動かない。


「のわぁぁっぁ!!」


 足を見るとその少女がいつの間にか掴んでいたのであった。化け物?


「・・・・。」


 その少女は俺を見上げ、何かを訴える視線を投げかけている。しかし、俺には読心術というものがなく、その視線を避けようとがんばってみたのだが・・・無理であった。結局、尋ねてみることとなった。


「あの、何か御用でしょうか?」


「あの・・・私の体から羽を抜きましたよね?」


 今にも泣き出しそうな顔になり、辛そうだ。俺はどうしたものかと悩んでいると、正直者であろう、紀伊が答えてしまった。


「ええ、マスターは貴女のお尻辺りのところから抜いてましたよ?」


 途端、その少女は泣き始めてしまった。


「と、とりあえず・・・・なんで泣いているのか教えてくれませんか?」


「ぐすっ、私たち、鳳凰鳥族は一枚でも羽を取られてしまえばあっという間に力を失い、弱体化してしまいます。普段だったら取れないはずなんですが・・・取れてしまったものはもう、戻りません。」


 俺は手元に握った金の羽を取り出して戻そうかと提案したが・・・


「だって、お尻のところから取ったのでしょう?今更、恥ずかしくて出来ませんよ。」


 もっともな事を言われてつい、頷いてしまった。うん、そんなことを俺がしてしまったら警察に捕まるだろう。

 紀伊はそんな少女を見て涙を浮かべていた。


「ぐすっ、マスターは血も涙もない鬼畜ですね。」


「お前には言われたくないぞ。」


「いいです、元に戻る方法を私たちが探してあげます。マスター、いいですよね?」


 いいも何も、悪いのは俺だ。しかし・・・・


「なんだってここを守っていたんですか?」


「それはですね、私がこの土地の守護者の一人だからです。この土地には他にも守護獣という者がいて、この土地を守っているのです。まぁ、この先にも色々といますが・・」


 それはやばそうだ。しかし、この先に行かないと聖地とやら似つかないのならしょうがない。どうせ俺の本体も未だに回復していないに違いない。


「グダグダ考えていたって始まらない。あたって砕けちってしまえだ!行くぞ、紀伊!」


「了解、マスター!」


 紀伊は立ち上がったのだが、もう一人は立ち上がっていない。俺は不思議に思って尋ねてみた。


「だって、名前を呼ばれていません。こういうのは名前を呼んでもらうのが必要かと、私は思うのですが・・・・。」


 うぅむ、そんなものだろうか・・・だが、俺はこの少女の名前を知らない。


「名前はなんていうんです?」


「さぁ?忘れました。それに、名前なんて覚えてませんよ。貴方がつけてくれて結構です。」


さて、ここでまた名前をつけてあげなくてはいけないなんてな・・・・機械から紀伊と付けたし・・・鳥だからなぁ。即効性で決めるなら・・・


「じゃ、今日から君は小鳥でどうだ?」


「小鳥・・・ですか?うれしいです。ありがとうございます、マスターさん。」


 命名理由、小鳥っぽいからだ。性格といい、声といい、体といい(人型のほう)・・・。

 こうして、俺のこっち側の友達として、機械のほかに鳳凰というお友達が増えたのであった。このままいけば、なんだか他にも出てきそうであり・・・・なんだか今から名前を考えておいたほうがいいなと思う俺であった。


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