デートwith葵
二十、
その二人は再び、叫び声を上げた。
「「きゃーたすけて、兄様!!」」
その声に聞き覚えがあった俺はステージのほうを見た。葵も聞き覚えがあったのかステージのほうに視線を移す。
「何だ、あの二人か・・。」
俺の視界に映ったのは黒河好きの双子であった。そして、その双子が見るほうには黒河がこれ見よがしに俺たちを発見して近寄ってくる。
「やぁ、偶然だね・・・。白川、葵ちゃんとデートだったのか?」
「へん、お前だってあの双子じゃねぇか。ほら、先程から助けを呼んでいるぞ?」
ステージのほうからは黒河に置き去りを食らっている双子がこっちを向いて助けを求めている。なんだか本気のようでヒーローも悪人も困っているように俺には見える。どうやら、黒河と一緒にいてもいいことはなさそうだ。
「葵、そろそろ次、行こうか?俺たちが邪魔しちゃ悪いよ。」
「・・・そうですね。」
「し、白川・・・僕を見捨てるのかい?」
「見捨てる?なぁに言ってんだ!両方ともお前にぴったりだ。ほら、行って助けてこい。待ちきれなくなったのかあの二人が凄い業そうしてこっちに走ってきてるぞ?」
俺が冗談でそういうとあわてたあいつはステージのほうを向いた。その隙に俺は葵の手をとってその場から脱出したのであった。
「はぁはぁ・・・ここまで来ればさすがの奴でもついてこれまい。」
「まぁ、邪魔されたら大変ですからねぇ。せっかくのデートですから・・・。」
にこりと笑った葵の後ろに何処かで見た二人がこっちを見ている。いや、正確に言うなら一人と一匹か?
「輝、鼻の下を伸ばしてるんじゃないよ。」
「ばっへばっへ・・・。」
おばさんと家にいる犬だ。補足として言っておくが犬のほうの名前はホワイティーンという。何故、犬の名前がこんな名前かというと・・・ホワイト・パンティー・モンモン(因みにこれは爺さんが名づけたらしい)を略したものだ。
「じゃ、そろそろ帰ってきてくれないかな?今日から私はちょっと用事があるからね・・・。」
「ばっへばっへ・・・。ふん!」
そういっておばさんは俺たちの目の前から消え、ホワイティーンも瞬きした瞬間に姿を消した。・・・あれ、本当に人間と犬なのだろうか?
「・・・じゃ、そろそろ帰りましょうか、輝さん。」
少しばかり残念そうな顔で俺を見る葵。・・・ま、おばさんが言ったんだからしょうがないか。
「葵、久しぶりにあの橋の下にでも行ってみよう。・・・・そこに行ってから家に帰ろうぜ?」
葵はそれを聞いて道端で巨大ザリガニを見たような顔になったが・・・直に頷いて俺の腕にしっかり巻きついたのであった。俺は苦笑しながらもそのまま一緒に歩き出したのであった。
「・・・輝さん、やっぱり貴方は優しいんですね?」
「へ、俺が優しいなんていう奴は頭がおかしいよ。ま、考えてみれば俺にラブレターをくれる人間なんてそうそういないし・・・・俺もいい経験になったよ。」
俺は葵の頭をぽんぽん叩いて遊園地を出たのであった・・・・。こうして、俺と葵のデートは幕を閉じたかのように思われたのだが・・・。
「輝さん、あれ見てください!」
葵と会った端の下・・・そこには一人の老人が倒れていた・・・。
「・・・・まさか、爺さんか!」
俺は急いで倒れている老人のもとに駆けつけて抱き起こした。その顔を見て俺が呟いたのがあたりだと知った。
「・・・・輝、出来れば男じゃなくて女の子が良かった。・・・ふ、久しぶりの娑婆じゃったんじゃが・・・運が悪かったのじゃ・・・婆に会ってこの有様じゃ。力を全て使い終えてしまったわしは・・・消えるんじゃ。」
そういって爺さんの姿は消えてなくなってしまった。・・・何しに出てきたんだ?
「あれが輝さんのおじいさんですか?」
「ああ、スケベな爺さんでな・・・今回は何しに出てきたんだ?しかもさっさと退場してしまったし・・・。」
二人して首をかしげながら考えていると・・・・川から何かが出てきた。
「あ、輝さんあれ!」
「・・・・って、あれは・・・。」
俺と葵の目の前に現れたのはとてつもなくでかい白龍であった。うろこは既にくすんでおり、老龍という言葉がしっくりしていた。
ぎしゃああああああ!!
咆えるたびに何かが止まる気がする。俺の頭の中でも何かが止まっていく・・・と、そんな咆哮も数分したら止まった。
俺の目の前で、川の流れはなくなっていた。雲も動いておらず、跳ねた魚は空に浮かんでいる。
「・・・これは一体?」
「どうなったんでしょうかね?」
動いているのは俺と葵だけだ。いや、目の前にいる老龍は怒ってますといったオーラを出しながら俺たちに襲い掛かってきたのであった・・・。ピンチ?
皆様、お久しぶりです。いやぁ、いろいろありましてちょっと更新するのが遅くなってしまいました。やれやれ・・・・まぁ、ちょっと不甲斐無いですが、これからもがんばっていきたいと思うので、たまにはがんばれよていどの応援をお願いしたいと思います。




