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輝へのお手紙

十八、

 煙が辺りからなくなると、そこには何もなかった。


「どうやら、逃げたようじゃな。」


 どこから沸いて出てきたのか爺さんは俺の隣でそんなことを言っている。俺としては再び襲ってこないか非常に気になる。


「まぁ、そんなことより、早く息を吹き返さないとお前も危ないと思うぞ?この前みたいにずっとこっちにいると火葬される可能性もあるしな・・・。今回はトラブルがあったことを碧さんとやらに一応報告しておいたほうが良さそうじゃからな。」


「・・・そうだな。じゃあな、爺さん。」


 俺はとりあえず爺さんに右腕を上げて挨拶をした。左手は隠すものがなくなった股間を抑える役を買って出ている。

 俺は目を閉じるとそのまま意識が遠のいていくのを感じた・・・。


 目が覚めるとそこは保健室の一つのベッドであった。どうやら、あれから碧さんが死亡届を出さずに保健室に搬送してくれたらしい。・・・よかった。しかし、近くに誰かがいる気配などない。外はそろそろ夕暮れである・・・・。


「・・・帰ろう。」


 一人さびしく俺は下駄箱を開けると・・・・そこには何かが入っていた。俺は不思議に思ってそれを取り出して裏返したり日に当ててみたり・・・逆立ちしてみてみたが・・・・こ、これはまさか・・・


「ラ、ラブレタァ?」


 驚いて声も出せねぇ。いや、叫んでいるのだが・・・・そ、それにまだこれが本物かどうか分からん。もしかしたら黒河のやつからの悪戯心満載の一品かもしれない。


「お、白川じゃないか?」


 しかし、奴は俺の後ろから・・・あれ?以前あったときよりかなりやせている気がするのは気のせいかな?


「黒河、顔色が悪いけどどうかしたか?」


「・・・まぁ、僕のことはいいから、君が手に持っているのはなんだい?」


 そういって俺の手からラブレタァ?を取り上げて勝手に開封。


「・・・・今度の日曜日、駅前で1/144ストライク○リ―ダムを持って待ってますぅ?おいおい、デートのお誘いじゃないか!全く君って奴は・・・。」


「嘘・・・お前の悪戯心満載の一品じゃないのか、それ?」


 黒河は首を振って俺宛の愛の手紙をくしゃくしゃにして後ろに放り投げた。


「僕の今度の日曜日の予定はだね、あの双子ちゃんのお相手だよ。白川、かわってくれないか?」


「却下。お前を好いてくれるいい双子じゃないか!お幸せにな。」


 そういって俺はくしゃくしゃになった手紙を大切に胸ポケットの中に入れて黒河の隣を神速で駆け抜けて家に帰ったのであった。これでどんなことがあっても一緒だよ?たとえ狙撃兵から胸を撃たれてもあの世に記念として持っていこう。


「・・・うぅむ、羨ましい・・・あれ?恋文の欠片かな・・・!なんだ、そんなことか。」


と、黒河の声が聞こえた気がしたが気のせいだろう。俺は家に帰りつくと誰もいないことを確認してくしゃくしゃになってしまった手紙の内容を確認した。黒河が言ったとおりのことしか書かれておらず宛名は不明。誰が出したかは分からない。と、そんなことを頭の中で言っていると、加奈が二階から降りてきた。


「輝、顔がにやけてるけどどうかしたの?」


「へへぇ、どうかなぁ・・・気のせいだよ。」


 なんだか昇天したときのきもちだぁ。あははぁ・・・。


「うわ、気持ち悪・・・。」


 そういって加奈は俺の目の前から姿を消してしまったのであった。へ、どうせ俺は気持ち悪いですよぉだ!だけど、そんな俺をデートに誘ってくれる人もいるもんだねぇ。夕食時、帰りが遅いおじさん抜きのみんなで夕食をとっていると、おばさんが俺に話しかけてきた。


「輝、今日はなんだかご機嫌だねぇ。」


「えぇ?わかります?実はですねぇ・・・」


「いや、別に聞きたくないから黙ってていいわよ。」


 加奈がそんなことを言うので俺はこれ見よがしとラブレタァを見せ付けてやった。しかし、みんなの反応はそれほど驚いているとは思えない。


「へん、ラブレターなんて安い安い。どうせろくな男たちなんていないからね。」


「そうですねぇ、私も結構持ってますし・・・。」


「私もですよ。輝君、そういうのは自慢しないほうがいいですよ。」


 碧さんにそういわれたので俺はそれを引っ込めようとしたが・・・一瞬で黒い墨となってしまった。


「・・・・加奈、羨ましいからって何も雷落とすことないんじゃないか!」


「ニヤニヤしてるから気持ち悪くなっただけよ。別にうらやましくなんてない!」


 加奈はそういいながら突き出した俺の顔面に右ストレートを繰り出してきた。俺はそれをぎりぎりで避けてそのまま殴り合いに発展・・・・。隣の和室でもみ合いの喧嘩となったのであった。


「輝、胸触んないでよ!」


「へ、これが胸だって?笑わせてくれるわ!」


 そして、俺たち抜きの夕食では葵がやけに嬉しそうに夕食を食べていた。それを見ておばさんは言った。


「葵、よろしく頼むよ?」


「ええ、任せて置いてください。明日は輝さんと一緒に楽しんできますからね。えへへっ、明日が楽しみですねぇ。」


何と無く、久しぶりの更新です・・・。そろそろ、新きゃらでも出そうかいや、どうかなぁと悩んでいるところです。まぁ、出すとしてもこゆーいやつじゃないと輝達に対抗できない気がしますから・・・。たまに、感想なんかをいただけるとうれしい所存です、ハイ。

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