表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/35

めか

十七、

 この前、爺さんが住んでいた屋敷はかなり静かであった。しかし、どうやら爺さんが毎日掃除しているらしく、意外と綺麗であった。まぁ、菜々美が消えてしまっていたので少しばかり静かなのが気がかりだが・・・。


「・・・輝、碧さんからの手紙によると・・・どうやらお前を苦しいたびに送り出さないといけないようじゃ。」


 はっきり言おう、俺は既に苦しい思いをしてここまでやってきている。これで何回目だと思っているのだろうか?


「・・・この山を下山すると、町がある。この前わしも知ったのだが・・・どうやらここは様々な生物が生きているらしい・・・なんでも、天国にやってきている天使などはこの世界の出身らしいのじゃよ。」


「・・・成る程、ここには龍以外の生命体もいるのか・・・他多数ってこういう意味だったのね?」


 爺さんは立ち上がって何処かにいくと・・・・何かを引っ張ってきた。めちゃくちゃ大きな箱であった。


「この前、お前宛に送られてきたものじゃ。何でも、何処かの実験室を使って輝のおかげで何かを作れたといっておったぞ。」


 そんなことを俺がしたのだろうか?とりあえず俺は箱の隣にある手紙を読んでみることにした。


『・・・久しぶりだな、こそ泥君。あの日、私は君のおかげで全てを失ったが、龍の秘密を知ることが出来た。その後、研究に打ち込み、私なりの龍を作り出してみたのだ。神の真似事と罵っても構わないが・・・・罵るのはこいつに勝手からにしてもらいたい。尚、それで命を落としてしまっても私は保証しないのであしからず・・・。』


 誰だこれと思ったが、何時だったか・・・加奈と一緒に何処かに行ったときに博士っぽい奴と戦ったような気がする。まぁ、それは別にいいとして・・・・。


「・・・爺さん、その箱を今すぐ焼却炉に捨ててくれ。」


「いいのか?もったいないと思うが?」


 どうせろくなもんが入っていないのは目に見えている。俺はパンドラの箱をあける気がしないのでね・・・。

 爺さんは重そうな箱を抱えて庭に捨て、マッチで火をつけ始めた。それで、スイッチが入ったのだろうか・・・・メカっぽい音がして箱がいきなり開いた。


 グァァァァァァァァァァ!!


 箱の中から銀色に光る何かが現れた。・・・・なんじゃありゃぁ!!


「輝、時代はメカかのう?」


 爺さんはマッチで火をつけるのをあきらめて俺のところに戻ってきた。そんなことを聞かれても困る。


「・・・輝、がんばれ、あれはお前に反応しているぞ?」


 赤く光る二つの目は俺を捕らえているようだ。どこからどう見てもロボットの龍は金属音をきしませて俺に襲い掛かってきたのであった。


「・・・はぁ、どうやって戦えって言うんだろうか?」


「ほら、あれじゃ・・・一度思いっきり殴ってみてはどうじゃ?」


 多分殴ったら痛いのは俺だ。しかも奴はなんだか色々仕掛けがあるようで・・・口をあけて何かを溜めている。


「・・・輝、今はレーザーとかビームとかそんなもんが主流なんじゃろ?」


「ああ、そうらしい。・・・爺さん、ならあの龍も口からレーザーなんて吐くかな?」


 爺さんは頷いて直に俺を置き去りにして何処かに消えた。そして、残ったのは俺だけとなる。

 残された俺に残った選択肢は一つ・・・・特攻だ。


「白川 輝、突貫します!!」


 言うが早いか俺は銀色のボディーが眩しいメカ龍に突撃していった。・・・パンツ一ちょで・・・。


「・・・守ったら負ける!攻めろ!!」


 俺はパンツの中に何か入っていない確認したが、特に何もなかったので・・・赤い目に向かって俺の拳をぶつけてみた。


 ばりぃん


 あっさりと赤い目は片方つぶれた。しかし、俺の右腕からも血が出ている。だ、誰か止血をしてくれぇ!!

 メカ龍は何事もなかったかのように今度は鱗を俺に飛ばしてくる。え、それって反則じゃない?


「くっそう!こうなったらこうしてやるぅ!!」


 俺はパンツを脱いでパンツ片手に飛び上がった。どうせ誰も見ていないのだから構わないだろう・・・それに、碧さんのことだ、何かパンツに仕掛けがあるかもしれない。俺はパンツを光り始めた龍の口の中に押し込んだのであった。俺としては絶対にされたくない。


 ぐしゃぁぁぁぁぁ!!


 臭いが聞いたわけではないだろうが、龍は苦しみ始めた。俺の少ない頭では気体の温度が上がりすぎた為だと思われる。そして、龍は急にまともに喋り始めた。


『・・・後、一分で爆発します・・・』


「え?」


 自爆?え、マジで?相手に勝てないからって自爆は良くない。うん、○ゲルになんかなったら駄目だ。


「輝、スタンガンでも使ってその悪戯好きな悪い子を始末してしまえ!」


 そういっている爺さんは既にここから姿を確認することは出来ない。爺さんに構っている場合ではないので俺は左腕から・・・人間離れの技を放出した。


「・・・・秘伝、『何で、金髪で背が小さい奴はツインテールが多いんだぁ』!!」


 それは紫電となって龍の心臓部分に直撃。直後、メカの動きはぴたりと止まった。どうやら、爆発阻止は成功したようだ。うん、良かった良かった・・・?メカ龍は体から煙を吹き始めた。え、何?今から再び爆発する気か?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ