表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/35

久々の学校

十五、

 長いようで俺にとっては短かった夏休みは平和に幕を閉じた。・・・・さて、学校にでも行きますかね?夏休み中、俺は毎日、三人によって、高校の勉強を毎日教えてもらっていた。いきなり二学期の勉強を教えられてもさっぱり分からないからだ。まぁ、それのおかげで何とか理解することができた。

 久しぶりに会う連中の顔をまじまじと眺めたりもして、話もした。それなりに夏休み明けとしては活気のある連中が多かった。そして、午前中の学校は終わりを告げ、放課後となった。俺は久しぶりに部室へと向かったのであった。


「さて、一学期の途中で輝君がリタイアしてしまったので、その時点で部活は無期限休部となってしまいましたが・・・・ゴキブリ並みの生命力を持つ輝君が復活できたので、再開したいと思いまぁーす!!はくしゅー!!」


 ぱちぱち・・・


 拍手をしているのは自分だけ・・・・碧さんはようやく、気がついたようだ。顔を傾けて俺の顔を覗き込む。


「輝君、拍手は?一人で拍手をするのは寂しいよ。」


「・・・いや、俺が拍手したとしても二人しかもとよりいませんよ?葵と加奈は先ほど、携帯でおばさんの命令を受け、どこかに行ってしまいました。」


 碧さんはそれを聞いてうなったが、近くにあった書類棚から何かを引っ張り出してきた。・・・・かなり古い、何かの書物であった。ま、まさか・・・江戸時代のエロ本か?・・・・いや、そんなもんが学校にあるわけないか。


「碧さん、それなんです?」


「これはね、この地域に伝わる色々な話を纏め上げたものらしいわ。そうねぇ、いわば、この地域の不思議話かしら?」


 俺はそれをぺらぺらとめくってみることにした。碧さんはそんな俺の隣に立ってにこにこしている。


「輝君、久しぶりの二人っきりだね?」


 俺は古文書?に意識がいっているので適当に返事をしてしまった。


「ええ、確かにそうですね・・・・。まぁ、色々と大変でしたから・・・。」


 その瞬間、俺は横からの衝撃にふらりとなった。


「み、碧さん?何をしているんですか?」


「・・・・輝君が適当に返事するからだよぉ。お姉さん、泣いちゃうよ?」


 え、何?俺が悪者?こんなところを加奈に見られたら再び何かを言われるに違いない。俺はあたふたしながらもどうすれば一番いいかを考えてみた。


「わ、悪かったです。自分が悪いと思っています!!」


「本当に?」


「ええ、俺の目を見れば嘘を言っているかいないか、絶対に分かります。」


 俺はそういって碧さんの目を見据えた。あっちも真剣な目で俺を見てくる。その目が段々、大きくなってきていると俺が気がついたときには後の祭りだった。


「むぎゅう?」


 そう、俺の目が碧さんの目以外を見ることができなくなるぐらいに接近してしまっていたのだ。当然・・・・くっついてしまった。

 俺は急いで碧さんから離れた。


「・・・え?ええ??うぇぇぇえええ?」


「輝君、意外と強引なのね?」


 顔をポッと朱に染める碧さん。あ、その表情も可憐だなと思っている場合じゃない。あわわわわわ・・・。


「じ、事故ですよね?これって事故ですよね?」


「いえ、当て逃げかな?輝君、ちょっとこっちに来てくれないかな?」


 その目は何かを狙っているような顔だった。あ、そんな意地悪そうな顔も素敵だ・・・って、そんなことを考えている場合じゃない!


「ほら、早く来ないと二人に言っちゃうぞ?」


「わ、わかりました。無抵抗です。両手を挙げてそちらに行きます!!投降します!!白旗です!!」


 俺は両手を上げて不適に笑う碧さんのもとに向かったのであった。

うう、食われそうな雰囲気だ。あ、そうそう、食われるで思い出したけど・・・それなら今日の朝のうちに大好きなプリンをさっさと食べておけばよかった・・・・今頃、おばさんか加奈に食われてしまっただろうな・・・・。あ、そういえば昨日も俺のイチゴプリンを食べた奴がいるんだよなぁ。昨日はそれで加奈と喧嘩になったっけ?


「輝君、もう一つ聞いておきたいことがあります。」


「なんですか?」


 俺は正直、怖かった。・・・復活記念に黒河からもらったあの本が、あっさりと見つかってしまったのではないかと思ったからだ。


「・・・・二度と、私の前から姿を消さないで?約束よ?」


 いつものような天然系のぽけーっとした声ではなく、少し、思いつめたような感じの声だった。俺は伏せていた顔を上げて碧さんの顔を驚いてみる。だが、それもできなかった・・・。碧さんは再び、俺を抱きしめたからだ。俺のほっぺたがかすかにぬれているのは誰かの涙だろうか?少しの間、碧さんは俺にしがみついて離れなかった。


「・・・・輝君、責めるなら、私を責めてね?きっと、一番悪いのは私なのよ・・・。あなたが大切に取っておいたイチゴプリンを食べたのも私。そして、今日・・・悪いけど・・あなたのプリンを食べてしまったわ。」


 え、何?碧さんは何をいっているんだ?プリンを食べた?ついでに俺も食べる気か?こんなに疑問文を並べる俺の頭の中にははてなが三十五体ぐらい群れをなして現れた。


「・・・・輝君、悪いけど・・・・私にちょっとついてきてくれないかな?あなたに話しておきたいことがあるの。」


 ついてきてと言いながら、俺の体を抱えるようにして連れ去っていく・・・。え、食べるなら場所もかんがえるべきということか?

 そして、俺は人気の少ない校舎裏に連れて行かれたのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ