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夏の夜空

十四、

 一対一の引き分けのまま、男VS女の戦いは終了を迎えそうになる。最終局面・・・俺対葵となった。黒河はあっちで双子たちと仲良く寝ている。ま、しょうがない奴だ、これは罰ゲームとでも思ってくれたまえ・・・。さて、次のルールは簡単・・・海の上にある旗まで泳いだほうの勝ちである。葵がどうかは知らないが・・・・俺は意外と泳ぐのは得意だ。


「位置についてぇ、よーい、どんっ!!」


 審判の声に合わせて俺と葵はいっせいにスタートを切る。

と、いきなりだが・・・あっという間に葵に先を越されてしまった・・・・。

え、あれって反則じゃない?人間の形してないじゃん!!あれってなんていうか知ってる?龍だよ、龍!葵はいつの間にか龍の姿になって泳いでいた・・・俺のときと違ってかなり泳ぐのは早い・・・・。そして、一度も息継ぎをせずに、旗のところでストップ。水中から葵が顔を出す。その顔は既に人間に戻っていた。俺は、未だに半分も行っていない・・・・。葵は呆然としている俺のところまで戻ってくると・・・・笑っていった。


「どうですか、輝さん。負けを認めます?」


「・・・・。」


 いや、これは・・・・なんだ?自分がエースパイロットだと思っていたら、実はへぼパイロットだったという奴か?もしくは、センサーに気がついて後ろを向こうとしたら胴体を持っていかれちまった悲しいパイロットか?

 俺がそんな感じで固まっていると・・・葵は俺のほっぺたを両手で引っ張った。


「・・・・輝さん、あまりのショックでおかしくなりましたか?」


「ひ、ひや・・・わははった。・・・負けを認めるよ。俺たちの負けだ。」


 一人、既に負けている奴もいるが・・・・それはしょうがない。


「じゃあ、罰ゲームは一人ひとりの要求を受け入れるということでいいですよね?」


「ああ、煮るなり焼くなり好きにしてくれ・・・。」


 もっとも、ザリガニを煮るなり焼くなりで出されたらさすがにそれは食べれんがな・・・。そろそろ、日も落ちかけてきた。俺は葵と一緒に泳いで皆が待っているところまで戻ることにした。


「輝君、あっさり負けちゃったね?」


「輝、おっそーい!!」


「・・・へっ、どうせ俺は遅いですよぉ!」


加奈たち、不平たらたら、俺、心の中で泣いてます。葵は結構ある胸をそらしてすんごく、嬉しそうだ・・・・。へ、俺に勝ったぐらいでそんなに嬉しそうにするんじゃねぇ!!と、思っていたのだが、葵はすねている俺の片手を握って言った。既に、他の皆は俺を置いて帰り始めた。


「これも、輝さんおかげですよ?」


「は?」


 そういって葵は俺を再び置き去りにしてみんなの後をおっていった。・・・どういう意味だろうか?俺はまじめに泳いだつもりだ・・・まぁ、三メートルぐらいしか泳ぎきれなかったけどな。しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。置き去りにされては大変だと俺はみんなの後を追うことにした。


 ぎしゃぁぁぁぁ!!


 そんな声が聞こえた気がして、俺は後ろを振り返った。海は相変わらず、波を運んでいるだけだし、輝いていた太陽は今では夕日になっている。どこにも、おかしいところはない。


「?」


 俺は気のせいだと思い込むことにして、急いでみんなのあとを追うことにした。


 豪華な夕食後、黒河とともに海が見える露天風呂に入ることとなった。

しかし、俺はちょっと遅れてしまった。そして、男風呂のほうには(黒河の別荘には女と男とそれぞれ別にしてある。なんでも、冬は旅館として機能するそうだ。)女物服が置いてあった。どうやら、あの双子が黒河と一緒に入っているらしい・・・。俺は思い直して叫び声が聞こえてくる露天風呂を後にした・・・。


「・・・・はぁ。」


 既に暗くなった海岸で俺は一人、ため息をついた。・・・自分で言うのもなんだが・・・男が一人で海岸にいても失恋したと思われるに違いない。そんなことを考えて自己嫌悪していると・・・。


「輝さん、どうかしたんですか?」


 葵が俺の隣にやってきた。まだ、風呂に入っていないらしい・・・。まぁ、ちょうどいいや、聞きたいこともあったし・・。


「葵、何でお前は俺に勝ったときに俺のおかげだって言ったんだ?」


 俺の問いかけに葵はちょっと驚いたような感じで俺の顔を覗き込んだ。


「あ、覚えてたんですね・・・簡単なことです、私は・・・・輝さんが死んでしまった後、輝さんが習っていた拳法を習い始めたんです。それで・・・修行の一環として、龍に戻って泳ぐ方法を身につけたんですよ・・・。それで・・。」


 続きを言おうとしたが、葵は涙を流し始め、言葉を出すことはできなかった。え、何で泣いてんだ?


「・・・お、おい・・葵、大丈夫か?」


 しかし、返答は帰ってこず、帰ってきたのは葵のタックルであった。


「毎日が・・・・毎日が不安でたまりませんでした!輝さんを・・・忘れたくなかったんです!絶対に!私は・・・私は・・・」


 俺は無言で葵を抱きしめようとしたが・・・・。


「あ、葵さんが泣いてる!!輝、何、泣かしてるの!!」


「あらあら、いけませんね、輝君は・・・。」


 加奈と碧さんがやってきてしまったので俺のひとかけらの勇気も吹き飛んでしまった・・・・。アンパン○ン、僕に勇気を一ダースほど分けてくれ・・・。

 葵は、俺の胸から顔を上げ、夜空を見上げて呟いた・・・。


「輝さん、宇宙に、龍っていますかね?」


 俺は肩を竦めて星が光っている空を加奈や碧さん、そして葵と一緒に見上げた。


ええっと、ちょっと今回の話の終わりかたは綺麗だったなぁと自画自賛しています。まぁ、それはいいとして・・・今の所は話に急転回がないなぁと思っていますのでどうにかしたいと考えています。たまに、感想を書いていただけると非常に有り難いです。

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