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太陽

十三、

 相手は双子なので、きっと凄い連携の数々を繰り出してくるに違いない。よし、こちらも友情パワーとやらを見せてやろうじゃねぇか。


「「いくぞ、相方!!返事しろ!!」」


 二人で綺麗にはもった。・・・・どうやら、いいところを見せたい気持ちは黒河の奴も持っているらしい・・・。


「さ、いきますわよ、お兄様方・・・・。」


 サーブ権はあちらから・・・・ちなみに、三十一点先制で勝利となる。さて、がんばりますかね?


「・・・お兄様私の愛をうけとってぇ!!」


 兄愛ぶりを早紀?いや、奈木かな?俺にはどちらがどっちかさっぱりわからん。まぁ、とりあえず、双子の片方が兄愛ぶりを本人(黒河)に思いっきりぶつけるためにモーションに入った。・・・・バレーボールにハート型のオーラが出ているのは俺の目がおかしくなったからか?


「・・・ロック、オン!食らえ、『兄愛魂』!!」


 ボールは黒河めがけて飛んでいく。


「黒河、あれを受け止めて俺の頭上に上げろ!!」


「ひぃぃぃぃ!!怖いよぉ!!」


 黒河はその場にへたり込み、身を震わしている。・・・・駄目じゃん。まぁ、そんな黒河だったが、頭で直撃を受け、後方に吹っ飛んでしまった。だが、ボールはちょうど頭でバウンドし、俺の頭上にやってきた。よっしゃあ尊い犠牲だったが・・・・これはこれでラッキー!


「そりゃぁ!!」


 ボールは綺麗に相手方の真ん中に落下。急いで二人は反応するも、ボールが地面に着地するほうが早かった。


「やったぞ、黒河!!先制点だ!」


 俺は振り返って黒河を見る。・・・・と、黒河はいつの間に作ったのだろうか・・・砂の城壁の後ろに隠れこんでいる。・・・・どうやら、妹発作にかかったらしい・・・。ま、しょうがない。


「ええと、先ほど、サーブを打ったほうはどっちだ?」


「え、私だよ。」


 俺は、サーブを打ったほうに黒河を迎えに行かせた。まぁ、直撃させたのはあやまるから、早く戻ってきて欲しい・・・。双子の片方は、俺にそういわれるとうなずいて砂の城壁を乗り越えていった。


「う、うわぁぁぁ!!」


 そんな声が少し、聞こえた気がする。まぁ、ここからみてみると、黒河が四つんばいになって逃げている姿が切れに見える。ああ、悲しいかな?四つんばいの状態では砂の城壁を越えることができない。追い詰められてしまった黒河、どうする?っと、こんなことはどうでもいい。


「審判、選手交代!黒河から・・・誰か、暇な人でお願いできますか?」


「認めましょう。黒河選手と早紀選手は怪我のため、交代ということで・・・・黒河君の代わりに私が入ります。先さんの代わりは加奈さんが入ってきてください。」


 後ろからギャーという声が聞こえて気がした・・・・残った双子のほうも走り出し、砂の城壁に侵入。・・・・。


「審判、葵を加奈のほうに入れてください。お願いします。」


 双子が消えてしまったのをため息をつきながら見ていた碧さんは加奈の隣に葵を選手として入れ込んだ。さて、試合再開。


「碧さんはサポートに回ってください、俺が何とかします!」


「わかったわ、輝君。サーブ権はこちらだから、私が打つわね?」


 俺は頷き、相手を見やる。さて、この二人の実力はいかほどなのだろうか?ぼさっとしていると、後頭部にすさまじい衝撃が襲ってきた。


「ごめん、失敗しちゃった!」


 そう、碧さんが撃ったボールは直線状にある俺の頭に直撃。・・・・葉っぱが数枚、俺の体に刺さっているのを確認。な、なんじゃこりゃ・・・。


「さて、もう一回打てるよね?碧、いっきまぁーす!!」


 今度はあたらないように脇にそれて後ろを見ることにした。うむ、これでとっさの反応ができるようになった。


「・・・『緑の風』!!」


 すさまじい風が吹き荒れ、新緑の葉をまとったボールは相手側の陣地に侵入。しかし、それを難なく打ち返す加奈・・・。腕には紫電が見える。おいおい、何をする気だ?


「・・・『紫電一閃』!!」



 お互い、もはや人間離れの技を連発し・・・ギャラリーが増えてきた・・・俺はちょっと忘れていたが・・・こいつらは龍だったね。なんだか、俺だけ置き去りを食らった気分だ。まぁ、そんなこんなで、こちら、三十点、あっち、二十九点。あと、一点でこちらの勝ちだ。そして、運命の対決は始まった。サーブ権はこちらにあるので有利とおもわれる・・・もっとも、碧さんが打てばの話だが・・・。


「がんばってね、輝君。ほら、黒河くんの敵をとるのよ?」


「ええ、わかってます。・・・そぉれ!!」


 俺は普通にボールを打ち上げ、相手陣地へと侵入させる。もう少しで、着陸だったのだが、葵がそれを拾い上げる。高く上がったボールを加奈が電撃をまとった右腕で打ち込もうとする。


「・・・させるかぁ!!」


 俺は飛び上がってそれを防ごうとして、あせった。今頃あせってもどうしようもなかったが・・・・加奈の手は止まらない。振り落とされたボールはありえない光を放ちながら俺の顔に直撃・・・・その衝撃で俺は後方に吹っ飛ばされたが碧さんが受け止めてくれた。ボールは相手の陣地だ。どうやら、勝ったらしい。


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