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ローズの恋愛  作者: 睦月
第1章
7/49

07

「ふふふ・・・。殿下、お誕生日おめでとうございます・・。殿下のお誕生日を2人で祝えてうれしいですわ」


「ありがとう。私もローズと2人で祝えてとても嬉しいよ」


お互い見つめあいながらグラスをかざし乾杯をした。












・・・・なんて事はあるわけがない。実際は・・・


「殿下!これ!これすごく美味しいです!はぁぁぁ!ほっぺが落ちそう!夢にまで見たローストチキンは夢以上だわぁ!!」


ローストチキンごときに興奮するローズ。


・・・可愛いんだけどね。すっごく。チキンでなくローズを食べちゃいたくなるくらい。


「ローズ、落ち着いて食べないと喉に詰まらせちゃうよ?」


それでも、ローズと過ごせるのが嬉しい殿下である。




「でんくゎ?でんくゎはおひょくひしゃれないんでひょかぁ?」


両頬にいっぱい詰め込んでまるでハムスターの様だ。


「ふふ。食事してるよ。ローズの笑顔でお腹いっぱいだ」


・・・どん引きだ。

何を言ってるんだ。

あまり食べてないようだから気を使ったのに。

ごっくんと口の中にあったものを飲み込んだ。


「殿下。お疲れですか?今日はものすごーく仕事されたようですもんね?」


「んー、疲れてないって言ったらウソになるけど、ローズと一緒にいるだけで癒されるから大丈夫だよ」


おいおい・・・・。

今日はいつもに増してゲロ甘な言葉を発してるあたり、かなりお疲れの様子ですが・・・?



「お食事も喉を通らない、あまりのくだらないこと・・・いや、ゲロ甘・・・甘いお言葉を発してるあたり大丈夫のように見えないのですが?」


「・・・ローズ、たまに俺だって傷つくんだよ?誕生日くらい優しくしてくれたっていいのに・・・・」


・・・一国の王太子とは思えないお言葉だな。


「なら、城に戻って早く休まれた方がよろしいですよ?疲れを取るには休息が一番です!」


そうそう。早くお家に帰って寝なさい!


「・・・大丈夫だよ。今日は一緒にいるって約束したから頑張ったんだからね?」


ジロリと睨まれてしまった。


まぁ・・・確かに今日は私の仕事がなくなるくらい頑張ってもらいましたが・・・。

大分顔色が悪いんだよなぁ・・・。

帰れって言っても帰らないし・・・・仕方ないな。


ローズは席を立ちベットの前に移動した。


「・・・殿下?一緒にいればいいんですね?」


「??」


殿下は首をかしげた。


「はい!じゃぁ此処で寝て下さい!私のベットは寝心地がいいんでしょう!?」


「!!!!えぇ!いいの?いや!っていうかそうしたらローズの寝るところがないじゃない!」


がたんと、椅子が倒れる勢いで席を立った。


「いいんです。私は床にでも寝ますから!早くこっちで横になってください!」


「いやいや!ローズを床に寝かせるなんてできないよ!!俺は大丈夫だから食事の続きをしよう?」


にっこり笑って、また席についた。


むー。どうあっても寝ないらしい。

なら、最終手段だ。


「・・・殿下?今なら膝枕のサービスをして差し上げますよ?」


「!!!!!!」


ふふ。予想通りすっ飛んできた。

まったく、なんで膝枕なら寝れるんだ?

しかも、膝枕って長時間すると足しびれちゃうから嫌いなんだよね。

だからって寝かせずに疲れたままにして、明日の仕事に影響がでてもこまるし。

今日みたいな事にでもなったら殿下を絞殺しかねないもん。


「殿下?ちゃんと寝て下さいね」


にっこり笑って、私の膝の上にいる殿下の頭をなでた。


「はぁ~。こういう事平気で出来るあたりまだまだなのかなぁ・・・」


ぽつりと殿下は何かをつぶやいたがそのまま目を閉じた。


ん?何か言った?

まぁ、いいや。

とにかく早く寝ろ。

殿下が寝たら殿下のローストチキン頂いちゃおう。

膝枕したんだから、それくらいイイよね。うふふふふ。


そう思っていたら、下からスースーという寝息が聞こえてきたのだった。

殿下・・憐れですね・・・・。


でも誕生日だったので少しいい思いをさせてあげました(笑)

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