表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ローズの恋愛  作者: 睦月
第2章
35/49

5

私が席に着くとオーランド様が話し始めた。


「ローズ、君は賢い子だからきっとこの縁組を不思議に思っているだろうね」


にっこりと笑ったままなのに、いきなり核心をついてきた。


「・・・・はい」


「うん。実はねこの縁組にはもちろん理由があるのだよ。国王には黙っていろと言われたけれど、それではきっとローズは納得しないだろうからね。私たちとしても納得した上で家族になりたいと思っているんだ」


向き合うオーランド夫妻はにっこりと笑った。


「・・・こんな私で宜しいのでしょうか?」


誠実な言葉につい出てしまった。


「もちろん!ローズを養女に迎えたいと言ったのは本心だよ。ただ、お互いに納得しないと本当の家族にはなれないからね」


両親がいなかったわけではないが、幼かったころになくなり兄と2人だった。

その兄も1年前に国を裏切り亡くなってしまった。

家族のいない私にはとても嬉しい話だった。


「・・・・それで、理由と言うのは・・・」


本当の家族になりたいと言ってくれるオーランド様に答えたかった。


「それが・・・・」


言いにくそうに口籠るとオーランド様は置かれていた紅茶を一口飲んだ。


「実は、ローズの結婚話が上がっているのだ」


「へ!?」


あまりの突飛な話に思わず変な声が出てしまった。


「今すぐにではないようだが、国王が内々に進めているらしい・・・」


「あ、あの・・・どういう事でしょう?」


結婚?


「それが私にも詳しい事がわからないのだ。これは本当に国王お一人で進められているようでね・・・」


・・・・あんの国王・・・・・


「・・・それで、私が養女になるのと何か関係があるのでしょうか?」


「うむ・・・。確かではないがたぶん、身分の高い方なんだろう」


・・・・どうしてこうも王族というものは身勝手なのだろう


「どうする?今ならまだ取り消す事も可能だぞ?」


オーランド様は相変わらずにっこりとした顔で聞いてくる。

しかし、隣りにいるマリー様はすごく悲しそうな顔だった。


「・・・・いいえ。こんな私ですがオーランド家の養女にして頂けますか?」


この話を引きうけてくれたオーランド様に申し訳ない。

こんな私でもいいと言ってくれたのだ。

かなりファンシーながらも、私が来るのを楽しみにしてくれていたお義母様。

そんな人達を裏切るような事はできない。


「ローズ!!嬉しい!これで本当の娘となるのね!!」


横にいたオーランド様の肩にすがりつくように泣き始めたマリー様を見ていると本当に望んで私を養女にしてくれたのだと改めて感じ、心が温かくなった。


「・・・本当によいのだな?」


オーランド様は確認するように問いかけてきた。


「はい。ふつつかな娘ですがこれからよろしくお願い致します。お義父様、お義母様」


養女となる過程がどうであれ私は、このオーランド家の娘になる事を心から喜んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ