表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ローズの恋愛  作者: 睦月
第2章
31/49

いつも読んでくださっている皆様ありがとうございます。

本編より第2章の始まりです。


ローズが殿下の元を去ってから1年が経っております。

「国王様!!!!」


城中に私の声が響く。


いつの間にあんな事を企んでたんだか!!!


「国王~!!!!」


ちっ。すでに逃げた後か!


「あっ!ねぇそこの人!」


前を歩く騎士に声をかけた。


「ローズ様。また、国王様をお探しですか?」


またって・・・・。

まぁ、確かに最近よく城の中を走り回ってはいるけど・・・・。


「国王様でしたら、先程お庭の方へ歩いていらっしゃるのをお見掛け致しましたよ?」


それを早く言って!!


「ありがとう!!」


騎士に礼を言うと、庭に向かって走り出した。


「・・・まったく、なんで私が!!どういう事かちゃんと説明してもらわなくっちゃ!!」


庭に着くと足を止め、辺りを見回した。

するとひょっこりと草花の間からキンキラの頭が見えた。


「・・・・あそこか・・・・」


溜息をつきながらそのキンキラ頭に向かって歩き出した。


「国王様!!」


「おぉ!ローズ!!」


「『おぉ!ローズ!!』じゃありません!!一体、どういうことですか!!ちゃんと説明してください!」


腰に手をあて、そこに座っている国王を見降ろす形で怒鳴りつけた。


「うっるさいのぉ・・・・。そんなに大声出さんでも聞こえておる」


「大声を出されたくなかったらさっさと説明してください」


「・・・・1年前はもっと大人しかった気がするんだがなぁ・・・・」


ぽつりとつぶやく国王に思わず舌打ちしたくなった。

あれから、あっという間に1年が過ぎた。

この国の国王に拾ってもらわなければ私は立ち直れていなかったかもしれない。

しかし、だ!それとこれとは別の話。


「なぜですか!なぜ私が宰相様の養女にならなければいけないのですか!!!」


そう!問題はそれなのだ!

今朝、執務室に行くと宰相様から養女になる為の書類にサインをしろと言われた。

イキナリの事に驚き思わず宰相様に掴みかかってしまった。


「・・・なんだ、その事か。私はてっきり・・・・」


ぼそりとつぶやく国王。


「てっきり?・・・なんですか!他にもまだ何か企んでいるんですか!?」


下がった目尻がまた上がった。


「い、いや!なんでもない!・・・よ、養女の件は前にも話しただろう?正式にこの国の者となれ」


「そのお話は前にもお断りしました!」


昔は妃になれとうるさかったが、私が徐々に本性を現すとそれは言わなくなり、かわりに正式にこの国の人間となるように言われ続けていた。


「いや、これは国王命令だ!・・・って、宰相からも言われただろう?」


飄々とする国王に更にイラっとしてしまった。


「だ・か・ら!!なぜ、この国の人間にならなければいけないのですか!!私は、この国の人間でなくてもこの国の為に働いています。しかも、宰相様にはちゃんと可愛い娘さんがいるではありませんか!!」


「ふむ。では、公爵あたりの娘がよかったか?」


ち・が・う~~~!!!

だから、そういう意味じゃないんだって!!

馬鹿か?それともわざとか!!

・・・・この国王ならわざとだわ!!


「国王!!」


「わかった、わかった。ちゃんと話すからそうカッカッするな!」


ニヤニヤとしつつも少し困ったように私を落ちつかせる。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ