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国王様の強引さに吃驚しながらも、私はどこかほっとしていた。
この国にいては、殿下は私に近付いてくるだろう。
私もそれを拒むことが出来るかどうか不安だった。
側にいたいという想いと側にいてはいけないという想いに苦しんでいただろう。
「・・・良かったのかもしれない・・・」
強引だが、国王様の優しさが伝わってくる。
私は家に帰り、国王様とともにフィナール国に行く準備を始めた。
「・・・とりあえず、着るものだけでいいかしら?」
こんな事を言ったら不謹慎かもしれないけど、こうして荷物をまとめてるとなんだか・・・・
旅行に行くみたい!!
「・・・なんて・・・。気楽な気分ではないわね・・・」
はぁ・・・・。
殿下にはなんて言おう?
いや、言わない方がいいかも・・・。
言った時の事を想像すると背筋がぞっとした。
「ひぃ!!・・・恐ろしぃ!!絶対、殿下には言えない!!」
すぐさま荷物をまとめると、国王様のところへ走った。
「・・・国王様にも口止めしなきゃ!!た、大変なことになる!!」
私が!!
私は、必死に王宮まで走った。
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「こ、国王様ぁ~・・・」
はぁはぁ・・・
走り過ぎた。
息が出来ない・・・
「ローズ?どうした。そんなに早く私に会いたかったのか?」
ちがう!!
と言いたいが声が出ない。
「はぁ・・・はぁ。・・・・ふ~・・・」
「まぁ、水を飲め」
国王様に差し出された水を有り難く頂いた。
「ぷはぁ!!・・・・はぁ~!!疲れた・・・・・」
生き返ったようだ。
「それで、そんなに急いできた用はなんだ?」
「そうです!国王様!私がフィナール国に行く事は殿下に黙っておいて頂けますか!?」
「ふむ・・・・。そんな事か。それは構わないが、お前はいいのか?」
「いいんです!いいんです!でないと大変な事になりますから!!」
私が!!!!
「まぁ、黙っておけと言うのならば黙っておくが・・・・」
国王様は何かを言いかけたが最後までは言わなかった。
「では、ローズも来たことだしそろそろ行くとするか。よいか?ローズ」
「はい・・・」
今まで生まれ育ったこの土地ともお別れだ。
自分がここを出ていくなんて思いもしなかった。
国王様に促されて、馬車に乗った。
「この国の宰相に挨拶はよかったのか?」
宰相様か・・・・・。
挨拶しておかないとうるさそうだ。
だけど、宰相様に挨拶をしたら必ず殿下にも伝わってしまうだろう。
当分帰ってくる予定もない事だし、宰相様への挨拶も省略しよう!
「・・・いいです!」
「ならば、出発する」
国王様はそれ以上何も言わず、馬車は再びフィナール国へ向かって動き出した。
さて、ここで第1章は終わりです。
次回からは第2章となります。
2章の内容は・・・・・・
ぜひ、2章をご覧ください!
しかし、ちょっとだけ・・・。
主役のローズはもちろん殿下も国王も登場します。
裏で誰かが動いていました。
ローズと殿下の為に誰が動いていたのか・・・・!?
・・・まぁ、キャストは限られてるのですぐにわかってしまうかと思うのですが・・・・・
新たなキャラも出てくる予定です!
どうぞ、第2章もよろしくお願い致します。




