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ローズの恋愛  作者: 睦月
第1章
3/49

03

あぁ・・・。気が重い・・・。

たかだかお祝いを一言言いに行くだけで上司命令って。


とぼとぼと殿下の執務室に向かっていると何やら、執務室の前が騒がしかった。


「殿下!開けて下さい!!」


ん?なんだなんだ?

野次馬根性丸出しで、殿下の執務室へ近づいて行ったら、公爵様や伯爵様・執務官に騎士団長までいるではないか!


「あ、あの、どうされたんですか?」


近くにいた公爵様らしき人に聞いてみた。


「あぁ。殿下がボイコットしてるんだよ。何が気に入らないのか部屋に入れてくれず仕事が進まない」


はぁ・・・。何をしてるんだ、あの殿下は。

だけど、これで私も仕事に戻れるって事だ。


しかし、その公爵様は恐ろしい言葉を発した。


「ローズとやらがいなければ仕事ができないとおっしゃるんだ。誕生日位自分の好きにしたいと。だから今そのローズとやらを呼びに行っているのだ」


「はぁぁぁ!?」


思わず大声で叫んでしまった。

すると、同時に扉が開いて元凶が出てきた。


「ローズ!!!!」


あぁぁぁ!やめてよ!

大声で呼ばないでよ!

こっち来ないでよ!

皆見てるじゃん!!

ほら、めっちゃみられてるしぃぃぃぃぃ。


「来るなぁ!!!!!」


思いっきり走って逃げた。


が、


騎士団長を始め周りの人々に捕まってしまった。

しかも、その目は明らかに「逃げんな!なんとかしろ!」

無言で言われるのが一番怖いっす・・・。

そして、差し出されました。殿下に・・・・。


「ローズ!!待ってたよ!」


ぎゅぅっと抱きしめられて・・・いや、羽交い締めにされた。


「・・・・何してるんですか?殿下」


地を這うような私の声に殿下はそぉと距離を取り始めた。


「・・・・ローズ?・・・あの・・・」


またもや上目づかいか!?

ちっ、それも腹が立つ。


「殿下。申し上げましたよね?仕事をしてくださいと。どうして今ボイコットなんてしてらっしゃるのですか?」


しょぼん。としたって許せない。

こんな人目がたくさんある中で、羞恥プレイをした罪は重い。


「・・・だって、ローズがおめでとうって言ってくれてない・・・んだもん・・・」


馬鹿か!?

こいつは本物の馬鹿だ!

おっと・・・。思わず殿下にこいつなんて言っちゃった。テヘ。

心の中だからいいか。

って、そんな事より意味分かんないんですけど。


「・・・・・そんな事で皆様を困らせてるんですか?」


鬼続行。

泣くかな?

あぁ・・・泣きそうな顔しちゃって。

っていうか、本当にこの人で次期国王大丈夫なの?


「・・・・わかりました。では、殿下が今ある仕事を全て終わらせたら、今日の夜バースデーパーティをしましょう」


そういうと殿下の顔はとたんにぱぁっと明るくなった。


「本当!?絶対約束だよ?じゃぁ俺頑張るから!」


言うと同時に自分の執務室へ戻り机についた。

そこから殿下は「ほら、皆何してるんだ!早く書類を持ってこい!」

と叫んでいた。


ふぅ、やれやれ。これでとりあえず一安心だ。


ローズも自分の執務室へと戻って行った。


2人のやり取りを見ていた周りの重臣達は、あまりのバカバカしさに呆れて石化していた。




バカップル・・・?

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