表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ローズの恋愛  作者: 睦月
第1章
22/49

22

「それから、こちらに隣国から連絡がきた。その時初めて前国王はジクが戦争を仕掛けた事を知ったのだ。前国王はジクを呼び出し、なんて事をしてくれたのだと問い詰めた。ジクはジクで今更自国に戻ることも出来ない。給金だって微々たるものだ。と怒鳴り散らしながら我が国王を手にかけてしまった。運悪く、そこに王妃が入ってきて、その状況を見た王妃は、怒りに震えジクに斬りかかったそうだ。だがジクにかなうわけもなく王妃もその場で殺されてしまった。私が駆け付けた時にはすでに遅くジクが消えた後だったのだ」


国王は話し終えたところで、ローズを立たせ近くにあったソファーに座らせた。


「・・・・ローズお前には辛い話かもしれない。だが、我が国もかなりの痛手を負ったのだ」


国王は向かいのソファーに腰を下ろした。

ローズは頭の中で国王が言っていた事を考えていた。


・・・つまり、あの時の肩の傷は王妃様にやられ、その前には国王様も手にかけていたと・・・・!?

なんて事だ!!

信じていた者に裏切られただけではなく、自分の臣下が戦争を引き起こそうとしていたなんて!!


「・・・・申し訳ありませんっっ。知らない事とは言え、我が臣下がそんな事を・・・・!!」


ローズはソファーから滑り降りるように床に頭をつけた。


「!!よせ!お前のせいではない。国王に捕まった時点でもうお前の手を離れておったのだ」


国王はローズの腕をとり立たせようとした。


「いいえ!!これは私の目が届いていなかったからです!臣下を信用しすぎてこんな事をしてる事も知らなかったとは本当に情けない!!」


国王の手を振りほどき距離をとった。


「ジクはもちろん、私にも責任がございます!!国王様のお好きなように罰してくださいませ!!」


ローズは隠し持っていた短剣を国王にさしだした。


「・・・こんなものを持っていたのか・・・・」


ふぅ・・と国王は溜息をつくとローズの差し出した短剣を手にした。


「・・・覚悟はできているという訳か?」


「はい」


「・・・・何があってもお前が責任をとると?」


「はい」


「・・・・命をかける程の者か?」


「・・・・ジクの為ではありません。自分の為です」


「・・・・その為に命を捨てることもおしくないと?」


「はい」


「・・・・・・ふぅ・・・・・」


「では、覚悟致せ!!」


国王は短剣を抜き、大きく振り上げた。

ローズは思わず目を瞑り体をこわばらせた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ