02
朝から馬鹿殿下に邪魔され、いじわる宰相に引っ張られ、今日もついてない。
あぁー!もう。本当にどうにかなんないかしら?
あの殿下さえおとなしくなってくれれば、宰相に嫌がらせされる事もないし、仕事に集中できるのに・・・。
何かいい方法ないかなぁ・・・・。
「ローズ!集中して仕事しろ!」
「はぁ~い」
ちっ。ご機嫌斜めだからって八つ当たりしないでよね。
これだから、宰相様は顔はよくてもモテないのよ。
まっ、知った事じゃないけど。
はぁ~、なんか今日の書類はやけに多いなぁ・・・。
「宰相様ぁ。今日はなんでこんなに書類が多いんですかぁ?」
「ちっ、今日はお前何の日か忘れたわけじゃないだろうな!?」
舌打ち!?舌打ちしましたよ?あの人・・・。
って、今日ってなんかあったっけ?
「・・・あれですよね?・・あの・・・うーんっと・・・・っいたぁ!!」
ペンが飛んできた!痛い!もうかなり痛い!!
「ドあほぉが!!今日は殿下の誕生日だろうが!!」
「あぁ!!そっかそっか。すっかり忘れてました」
だから、朝からあんなにうざかったのか。
「はぁ・・・おかわいそうに殿下も・・・なんでこんな馬鹿を・・・」
ん?宰相様何をぶつぶついってるの?
なんか馬鹿とか言ってた?
え?殿下の誕生日を忘れてた事に呆れてるの?
だってぇ、興味ないし・・・。
「はっ!お前、もしかして殿下におめでとうも言ってないのか?」
「はぁ?そりゃ忘れてたんだから言う訳ないじゃないですか」
「はぁぁぁぁ。だから、あんなに機嫌が悪かったのか・・・」
何?殿下ったら、おめでとうを言ってないだけで機嫌が悪いの?
どんだけお子様なのよ?
「お前、今すぐ行って来い。他の仕事より最優先で行って来い!」
「え?何言っちゃってるんですか?そんなこと、この山の様な仕事をほっぽり出していく事じゃないですよ。また、お会いした時にでも言っておきますよ」
「いや、今すぐ行け!じゃないと、その山がもう3つ位増える事になるぞ?」
「えぇ!?意味がわかりません。いや、本当なんでそんな事になるんですか?」
「・・・今朝はよかった。何やらご機嫌で政務をこなされていたのに。朝、殿下におめでとうございます。と言ったら、殿下も忘れてたらしくてな、どんどん不機嫌になっていったんだよ」
「え?なんでですか?おめでとうって言われて不機嫌になるってどういう事ですか?」
「だから、とにかくお前が行け!行っておめでとうございますと言って来い。なんならお前を差し上げろ!」
スルーですか!?しかも、意味わからないし!!
「さっぱり納得できません!しかも、『差し上げろ』って私は物じゃありません!」
「つべこべ言わず行け!上司命令だ!」
卑怯だ!権力をこんな事で振りかざすなんて!!
「・・・・わかりました。行ってきますよ」
はぁ・・・なんで、わざわざあの殿下に会いにいかなきゃいけないのよ。
仕事も山積みなのに・・・。
とにかく、さっさと言って戻ってこよう。
うぅ・・・どんどん口が悪くなっていくローズ・・・。