19
「・・・良かったのか?」
部屋を出るとそこに宰相様が壁にもたれかかっていた。
「・・・・覗きですか?セクハラで訴えてもよろしいですよね?」
ジロリと睨むと、宰相様はニヤリと笑った。
「やれるものならやってみろ。私の所で握り潰してやる」
・・・・職権濫用も甚だしい・・・・
「・・・・馬車くらい用意して下さるんですよね?」
宰相様に負けないくらいのニヤリを返してやった。
「あぁ。表にまたせてある。それに乗って行け」
準備のいい事だ。
「ありがとうございます。では、宰相様。行ってまいります」
ぺこりと頭を下げると、宰相様の前を通って馬車に向かった。
「何かあればすぐに連絡しろ。出来る事はこちらでやる」
後ろから宰相様が叫んだ。
始めて宰相様の叫ぶ姿をみるな・・・
**********************
隣国へは2日かけてたどり着いた。
城下では王族間で争いがあった事など嘘のように賑わっていた。
「この国の城下はこんなにも賑わいを見せているのに・・・。なぜ王族間では争いごとがおこるのかしら」
城の中で起こっていることと街とではまるで違う世界に見えた。
そう思っていると、城に到着した。
「わぁ!大きなお城!うちの国の2倍はあるかも・・・・・」
この辺では一番の大国だというのに、うちの国は質素倹約とか言って何気に王宮は小さかったりするのだ。
門番に名をつげ、謁見の間に通してもらった。
意外とすんなり入れるものなのね・・・。
長い廊下を歩いて行くとつきあたりには大きな扉があった。
門番が来客を告げると大きな扉が開き中へと通された。
「こちらでお待ち下さい」
そういうと、門番は扉から出て行った。
私は周りを見渡した。
「わぁ・・・。なんか無駄にお金使ってるって感じ・・・。こんな置物なんて何の意味があるのかしら・・・」
目の前に置かれていた何かの像を見ながらぽつりとつぶやいた。
「・・・・まったく意味はないな」
ふいに後ろから声が聞こえた。
「無駄な物が多いと思わないか?この部屋だけでもこの国の負債を軽く賄える」
だったら、全部売ってしまえばいいのに・・・・
「・・・売ってしまえばいいと思っただろう?」
・・・・なぜまた此処でも読まれなければならないのだ。
「ふ。お前は顔に出やすいな。良く言われるだろう?」
えぇ・・・。言われますとも!!
そういうと男は台座の上の席に着いた。
「・・・・・この国の新しい国王様ですか・・・・」
「そうだ。お前が間者の主か?」
「・・・ご存じだったのでは?」
「いや、知らん」
「!!!あの手紙には・・・・」
「そんなものカマかけただけだ」
涼しい顔をして笑っていた。
「・・・・では、一体何が目的でしょう?ジクは無事なのでしょうか?」
「うむ。無事といえば無事だが、無事でないといえば無事でないな」
ち、この新しい国王は一体何なんだ。
「まぁ、そうカリカリするな。お前、名はなんと申すのだ?」
「・・・・・ローズです」
「ローズか。よくここまで女一人で来たものだ。それとも我が国が舐められているのか?」
「・・・此処へは私の意志で参りました。国はまったく関係ありません」
「ほう、国としては見捨てておく駒をお前が個人的に取りにきたと?」
「そうです。ジクを返して頂けますか?」
ぎろりと新国王を睨むと国王は笑いだした。




