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ローズの恋愛  作者: 睦月
第1章
16/49

16

殿下は黙ったままだった。


「・・・・殿下。あなたの元気は今傷を受けた者達を元気にします。だって殿下はおバカさんでしょう?」


殿下は顔をあげた。


「ふふ。殿下のおバカ加減には私いつも困ってます。だって、辛いときも元気になれるんだもの。というか、辛くなれる時間がないんです。そんな時間を今生きて頑張っているものにあげてください」


にっこり笑うと殿下は口を開いた。


「・・・ローズにはやっぱり叶わないな」


困った顔をして笑う殿下。


「しかし、一国の王子をなんどもバカバカというなんて、さすがの俺も傷つくぞ?」


「まぁ!!それはすいません。ついうっかり思ってる事が口に出てしまって!!」


大げさすぎるくらい驚いて見せた。


「・・・・ローズ・・・・」


はぁ。っと溜息をついたかと思うと殿下は自分の頬を両手で叩いた。


「そうだな!!この国にはまだたくさんの民がいる。私がしっかりせねば皆困ってしまうな!!」


「そうですよ!!さぁ!殿下のおバカを皆に振りまきに行きましょう!!」


「ローズ・・・。元気と言ってくれ・・・」


2人して顔を見合わせて笑った。

殿下が立ち直ってくれてよかった。

殿下が元気でないとなんだか私も悲しくなってしまうのだから・・・・。




********************************



あれから殿下は落ち込んでいた事がウソの様に、明るく振舞った。

多少無理している感じはあったものの、殿下の笑顔が傷を受けたもの達に笑顔を与えた。


「殿下!!私、殿下が好きです!!」


小さな小さな女の子が殿下の前にやって来て言った。


「なんと!嬉しいな。しかし、そなたが結婚できるまで私は待てないぞ」


女の子は泣きそうになってしまった。


「すまないな。私にはすでにローズがいるからな。そなたならもっと素敵な男性があらわれるだろう」


にっこりと笑う殿下。


「殿下!!なんで私が関係あるんですか!!そんな小さい子にウソつかないでください!!」


横で聞いていればある事無い事しゃべって!!


「何を言う!これは私の本音だ!!そして近いうちそうなる!!」


何を勝手に決めちゃってくれてるんですか!!


「バカなこと言ってないでちゃっちゃと仕事してください仕事!!」


「・・・殿下、振られちゃったね・・・」


その様子を目の前で見てた女の子は殿下の肩をポンポンと叩く。


するとそれを一部始終見ていた周りから笑い声がこぼれる。

こんな日が続いて皆の心が癒されればいいと思っていた。

あの手紙が届くまでは・・・・・。



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