表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ローズの恋愛  作者: 睦月
第1章
10/49

10

「ローズ!ローズってば」


耳障りな声が聞こえてくるが、気のせいだろう。


「ローズ・・・。ごめんってば。許してよぉ・・・」


そう、馬鹿殿下が先程から私の後をついて来ては謝っている。


「もう人前でローズの嫌がる事しないから」


「・・・当たり前です。迷惑なんですよ」


「ローズ!やっと口聞いてくれた!」


しまった!!

うっかり口に出てしまった。


「ローズ!お詫びになんでもするから!そうだ!今日の夕飯にローストチキンを用意するよ!」


はぁ・・・。

無視してもずっと付いてくるし、めんどくさいからガツンといって終わらせるか。


「ローストチキンは昨日食べたのでもう結構です。そのかわり殿下1週間私に近づかないで、ちゃんと仕事してください。そうしたら許してあげます」


「えぇ!!1週間もローズに近づかないなんて無理だよ!!」


「じゃぁ、今後一切口聞きません!」


「うぅ・・・。そんな・・・・」


泣きそうな顔がまるで捨てられた子犬の様だ。


「・・・わかったよ。1週間我慢するよぉ・・・」


「仕事もちゃんとするんですよ?わかりました?」


「わかったよ・・・。じゃぁ、それで許してね」


「もちろんです。では今からさっさと執務室に戻って仕事してください」


「えぇ!?今からなの?」


「そうですよ。嫌なんですか?」


じろりと睨んでやった。


「・・・・執務室に戻るよ。じゃぁ、ローズ元気でね!絶対浮気なんてしちゃダメだよ!!」


浮気も何も殿下の妃でも彼女でもないんですけど・・・?


「・・・はいはい。さっさと行ってください」


そして、私の仕事を減らしてください。


「・・・じゃぁね!1週間の我慢だよ!!」


そういうと泣きながら走って執務室に戻って行った。


「・・・・・・女ですか・・・・」


どちらが女かわかったもんじゃない。

しかし、これで1週間は静かに過ごせる。

そう思うと、頬は緩み思わずニヤけてしまう。


「ふふふ・・・。っといけないいけない。さぁ、仕事にもどろう!」


明日からは宰相様に嫌味を言われなくて済む。

そう考えていたら、知らぬ間にスキップをしていた。


「・・・おい。お前はどこの子供だ・・・」


「!!宰相様!なんですか?いきなり」


おぉ・・・・。びっくりした。いきなり現われないでほしいよ。いつもいつも。

って、あれ?いつの間にか自分の執務室に戻ってきてたよ。


「何かいい事でもあったのか?というか、廊下をスキップして歩くな!」


「スキップって何言ってるんですか?そんな子供みたいな事するわけないじゃないですか!」


「・・・・・」


あれ?何頭抱えてるんだ?

まっ、今日の私はごきげんだから、宰相様のおかなしな行動も目を瞑ってあげよう。

さぁ!仕事をすませてゆっくり家でのんびりするぞぉ!!

1週間なんて普通ですよね。

でも、殿下にとったら1年以上の様に長いんですよ。

だって、毎日のようにローズに付きまとってるんだから・・・・。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ