まずはマズル…ってとこでしょうか
許されることすら許されない。でも一番許されたがっている。
でもまぁしょうがないよね、つまらない自分がいけない。多分ずっとこんな感じだろう。4コマ漫画みたいに綺麗にオチがつけばいいけど、実際はオチない。むしろ落ち続けていく。底があって初めて「落ちた」と認識できるわけであって、底がないんじゃ終わるに終われない。落ち続けてる時も山あり谷ありなら行く分マシなんだろうけど、実際問題として目の前にピストルが生えてくるくらいしないとおもしろくならない。それは紛れもなくつまらない人間である僕のせいだ。
とはいっても、いずれ底に辿り着くんだろう。僕の場合、そこは墓場なんだろうけどね。
いけない、またつまらん自虐ネタを考えてしまっていた。おそらく窓から一瞬だけ見えた墓地のせいだろう。墓というのはどうも理解に苦しむんだよな。死んだら死んだで忘れていくしかないのに、無理やりこの世につないでる感じがして煩わしい。忘れてしまうのは悲しいけど、そんなこと言っていてはキリがない。3歳のころに亡くなった祖父の声を思い出せないことに気づいたときは幾分寂しさを覚えたものだが、おそらく祖父も祖父のこと(つまり僕から見て高祖父なのだが)なんて、その時にはすっかり忘れていただろうからね。
─次は ○○ ○○─
あぶない。乗り過ごすところだった。予備校に行かなければならないのに。別に勉強がしたいわけでもないが、サボって時間をつぶせる場所なんて他に知らないし、行くしかない。
それにしても「乗り過ごす」というのは不思議な言葉だ。体感的には「降りそびれる」の方がしっくりくるんだけども、そんなことより多分鉄道やバスなどの交通インフラができて初めて生まれたであろう言葉なんじゃないか?言葉界ではかなり若く、「詫びさび」や「お召し物」といった大御所から理不尽なイジリとかされたりしてるくせ、自分より目下の「チルい」とかにはエラそうにして嫌われてるんだろう。
つまらない事ばっかり考えていても、身体は勝手に人混みの中を縫うように歩き、いつもの自習室のいつもの席までたどり着いていた。別に特別にこだわりがあるわけではなく、毎回どこに座るか決めるのが煩わしいだけだ。周りもそれを察してか、ここ2ヶ月くらいは僕の指定席みたいになっている。
そして察しのいい人なら気づいているかもしれないが、僕は机の引き出しの中にも指定場所みたいなのがあって、筆箱は必ず左端に縦向きで入れ
─ゴン─
ん?
カバンから取り出した筆箱を引き出しに入れようとしたとき、謎の手ごたえと引き出し内部の金属に何かがぶつかったような音がした。
誰かの落とし物か?まったく…受付のところまで持っていかなくちゃいけないじゃないか…っていうかここは僕の指定席みたいな空気なかった?空気読んでもらわないと困るんだよねぇ。
ホント、ピストルなんて大事なもん忘れてるんじゃないよ。
ピストル?
ピストルだった。ハンドガン、拳銃、短銃、小火器とかいろいろあって、具体的にどれに分類されるかわからないが、間違いなく人を殺せる道具だった。ハワイに親父はいないので実物なんて見たこともないが、ずっしりとした重さ、冷たい手触り、妙な握りやすさがそれを雄弁に語っていた。
僕はこの日、人を殺せるようになった。許されるかは別としてね
初カキコ…ども…




