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元女房役の俺の元に押しかけてくる恋女房?  作者: コーヒー


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入学式 ④

入学式を終えた1年4組の一同は再び教室へと戻ってくる。

生徒でお喋りをしたいという考えを持ったのは俺だけではないはずだが、同じく戻ってきて教壇の前に立つ山口先生の存在でそれは叶わなかった。


「はい、入学式お疲れ様。それじゃあ自己紹介の時間をとるけど、その前に親御さんに連絡が必要な者は少しだけ待つから連絡とっておくように。自己紹介と明日の予定を説明して終了するから1時間は時間がかかると伝えておくように」


山口先生はそう言って許可を出すと、一度教壇から離れて窓から外の景色を眺める。


俺たちもそれを合図に各々スマホを取り出して家族へと連絡を取る。メッセージを送る者がほとんどだが、一部は通話にて話している者もいるが、許可は出ているため咎める者はいない。それでも手短に済ませるのはやはり場の緊張が勝るからだろう。


かくいう俺はLINEでメッセージを入れたところ、母ちゃんからは気の抜けたクマの絵と了解と書かれたスタンプで返事が返ってきた。


「それじゃあ全員自己紹介に移って大丈夫かー?じゃあ先生は簡単に自己紹介をしたから、早速順番に全員自己紹介していこうか」


その言葉に恐らく緊張したのだろう、最前列にいる女の子は息をのんでいる。そんな様子を見て山口先生は笑みを浮かべた。


「普通に1番から自己紹介しても面白くないのであえての最後尾からいこうか」


そう言われ、完全に油断した様子を見せる廊下側最後尾の男子生徒と、安心した様子の女の子。


「簡単な自己紹介でいいぞー。ではスタート」


その言葉を皮切りに、指名された男子生徒から順番に自己紹介が始まる。


名前や出身中学、部活動や好きなことなど様々だが、自己紹介としてはこんなものだろう。続々と順番が回り、斉藤さん、古賀と隣の列も紹介が進んでいき、次はいよいよ俺の番が回ってきた。


「はじめまして。金沢遙人です。中学時代は特にスポーツはしてませんが、見るのは全般好きです。こんな体型だけど動けるぽっちゃりなんで、気軽に付き合ってください」


周囲から笑いを誘い、最後にどうぞよろしくと締めくくって自己紹介を終わる。


俺の前の席の大木さんは俺の様子を伺い、続けて自己紹介を始める。


「皆さん、大木麻衣といいます。この学校では野球部のマネージャーになれればと思っています。仲良くしてくれるとうれしいのでよろしくお願いします」


そう自己紹介をした大木さんには心なしか俺の時よりも大きな拍手が送られる。きのせいであると信じたい。


大木さんの自己紹介のあとは残り数名と言うことで、自己紹介の時間はそれからまもなく終わった。


「よーし。それじゃあ4組の全員の自己紹介はいったん終了。後は各々で交流するように。じゃあ明日の予定を説明するぞー」


そう言って山口先生は明日の予定を説明する。


午前中は約2時間ほどかけて各クラスごとに学園内の施設を見学し、その後昼食までの時間は各クラスでオリエンテーションの時間をとるとのこと。昼食後は学校で準備されているクラブ活動について紹介があり、終了後は下校とのこと。


明後日からは本格的に授業もスタートするので、移動教室などがある際に迷子にならないようしっかりと場所を覚えるか、友達を作って連れて行ってもらうように。と冗談半分と言った様子で説明を受けた。


「あーちなみに部活動はスポーツクラスも含めて明後日の仮入部期間から始動するので、入りたい活動があれば気兼ねなくまずは仮入部してくれー。野球部もレギュラーのポジションは白紙だそうだから、歓迎するぞ。好成績を残してくれると先生のボーナスが上がるから、我こそはという運動自慢は初心者でも参加するように」


マネージャー志望の大木も当日はまずグラウンドに集合なー、と山口先生は早速の入部候補者である大木さんに声をかける。


「じゃあ今日はこれで解散してかまわないので、家族が待ってくれているものは合流するもよし。クラスで交流を図るもよし。じゃあ今日はこれで解散とする!また明日元気に登校するように」


そう言うと山口先生は教壇を後にして教室を後にした。


何というか、自分が想像していたよりも簡素に終わったというのが印象的な一日目である。

そう思っていたのはどうやら俺だけではないようで、


「なんか入学式ってもっと特別なこととかあるのかなーと思ってたらもう終わっちゃったね」


「そうかー、中学の時もこんな感じじゃなかったか?」


斉藤さんと古賀が早速こちらに話しかけてくる。


「まぁ一日目からがっつり授業とかあっても困るしいいんじゃない。先生も言っていたとおり、今日は家族が待っている人も多いだろうし、校門前で写真撮るとか定番でしょ?」


「あーうちも言われてる。みんなも?」


斉藤の問いかけに古賀と併せて同意の相づちを打つ。


「大木さんも?てかせっかく近くの席になったからみんなLINE交換しよ!」


会話に参加できていなかった大木さんにも斉藤が声をかけ、4人でそれぞれスマホを取り出して友達登録を行う。


「あーおかんから連絡来た。このあと用事があるから早く出てきてくれだって」


古賀がスマホを見ながら迷惑そうにそう言うので、明日早めに当校して話そうと約束し、今日は解散することになった。


その後、母ちゃんと合流して校門前で写真を撮った。俺がひとりで写った写真と母ちゃんと並んで撮った写真。ツーショットは後ろに並んでいた別のクラスの親御さんがとってくれた。


写真を父ちゃんに送ると、馬子にも衣装というコメントが帰ってきた。


うるせー。


帰宅して母ちゃんと晩ご飯を食べ、仲良くなった3人に他愛のないやりとりを少しして、高校1年の入学初日は終わるのだった。


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