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元女房役の俺の元に押しかけてくる恋女房?  作者: コーヒー


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入学式 ③

入学式の会場である体育館には学園の教諭陣や招待された来賓の方々、入学する生徒の保護者の方々がすでに勢揃いし、主役である学生たちの入場を今か今かと待ち望んでいる。


1組で特進クラスの担任教諭である女性に導かれ、私、桜木凰花は新入生の一番前を歩いていた。


本来名前順に並んで歩くはずの私が何故先頭にいるか。それは新入生代表の挨拶という任を任されたからである。


学園の関係者ということであるが、それは考慮されておらず、特進クラス含む全生徒のなかで一番の成績を修めて入試を突破したらしい。


おじいちゃんや両親の教育方針で学業に余念なく環境は整えてもらったが、私自身の努力もあり、今回この任を受けた。


なお、学園では私に特別措置など執らぬよう理事長であるおじいちゃんから通達されており、私自身もそれに納得している。変な特別扱いはいらぬ軋轢やトラブルの元だ。


それを特権と考える人もいるのだろうが、私には不要なもの。おじいちゃんと約束した件はさて置いてだが。。。


着席した席からこっそりと周りを確認すると、私の目的に近づくためのキーマンとも言うべき彼の姿が見えた。あの日見た姿からは大きく変化しているが、今の姿を否定する気はない。時間をかけてあの日見た姿に戻るよう促せばいいのだ。


彼の姿を覗いている際、2組の列に並ぶ幼馴染みとでも呼ぶべき、本来は呼びたくないが、男の子がこちらの姿に気づき、というよりも私が気づく前からサインを送っていたのだろう。私が気づいたことを確認するとうれしそうにぶんぶんと手を振っている。


正直鬱陶しく思う気持ちもあるが、彼の存在自体は今後必ず必要になっておく。邪険に扱って計画が狂うと困るので、いつも通りの対応をとっておいた。


少しすると6組の生徒も用意された席に着き終わり、司会進行の教諭が入学式の開催を宣言する。


そこから式はつつがなく進み、理事長であるおじいちゃんの挨拶、来賓の関係者、おそらく実際に立場のある偉い人なのだろう方々の挨拶が終わる。


「では続いて入学された生徒代表の挨拶になります。新入生代表、桜木凰花さん」


遂に私の名前を呼ばれたので、大きな声で返事とともに立ち上がり、壇上へと向かった。






入学式というものは人生で記憶のある限り小学校と中学校の2度経験したが、その記憶と相違なく、どこか退屈さを感じさせるものであった。

理事長や来賓の関係者の挨拶は、今日この学園に入学したものとしては顔なじみもない他人と言ってもいい関係値の人の挨拶なので、俺を含む学生の大半は同じような気持ちを抱えているに違いない。


どちらかというと、入学式というのは入学する生徒の保護者のためのイベントなんではないだろうか?と退屈をしのぐ中で考える。


そんな退屈な気分の中、空気が変化したのは新入生代表の挨拶であった。


1組の1番前に座っていた女の子が返答する。凜としたその声は、俺を含む退屈を感じていた生徒を含めて、注目を集めた。


「新入生代表の桜木凰花です。本日ご列席の皆様、本日は誠にありがとうございます」


桜木凰花と名乗った彼女は凜とした声でそう話し出す。


目を引くのはプラチナブロンドとも言うべき輝く髪色。背丈は160cmほどだろうが立ち姿はすらりとしており、かわいい系というよりは年齢以上の雰囲気を感じさせる美人な顔立ちは周囲の目を引いている。


なかにはすでに好意を抱いたのでは?という熱烈な視線を向ける生徒もいるようで、彼女の一挙手一投足に注目している。


「私たち新入生一同は、本日この桜阪学園に入学いたします。本日は私たちのために、このような盛大な式を挙行していただき誠にありがとうございます。新入生を代表してお礼申し上げます。」


「本年度より開校する桜阪学園の記念すべき1期生として学園の名に恥じぬよう、また来年度以降にこの学園に入学したいと感じてもらえるよう、新入生一同、それぞれが多くのことを経験しながら、仲間とともに支え合い、成長していきます。」


「保護者の皆様、桜阪学園の先生方や関係者の皆様、どうか私たちが3年間この学園で成長していくことを温かく見守っていただけるよう、よろしくお願いします」


最後に新入生代表として、改めて自分の名前を告げて頭を下げる彼女。


その直後、新入生はもちろん、会場全体から賞賛の拍手が鳴り響いた。


彼女が壇上を降りる際、ふと目が合った気がしたが、たまたまだろうと気を取り直して拍手を続けた。


その後も入学式はつつがなく進み、閉会の時間を迎える。

退場の際は入場とは逆の順番で6組の生徒から会場を後にする。すぐに4組の順番も訪れて、俺たちは会場である体育館を後にした。

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