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元女房役の俺の元に押しかけてくる恋女房?  作者: コーヒー


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入学式 ①

「ハルー!いい加減出かける準備しないと入学式に遅刻するわよ!!」


リビングから自分を呼びかける声で目が覚める。

母ちゃんの声が目覚ましというのは高校に入学する当日でも変わらなかった。

以前はそんな声を聞く前に勝手に目が覚めていたけれども、丸2年も過ぎた今では遠い過去。


「今起きたー。すぐ準備するから朝飯よろしく」


「だったらはよこい!!」


本気で怒っている声ではないが、だらだらしていると本当に雷が落ちるだろう。

俺はクローゼットの前にかけている真新しい制服に手をかけようとして、まずは顔を洗わなければと一度洗面所に向かう。


蛇口をひねり、まだひんやりと感じる水を顔にかける。洗顔をして歯ブラシを片手に鏡に映る自分の顔を見る。


「相変わらずまん丸顔はかわらずっと。まぁネット小説じゃあるまいし、朝起きて見知らぬ顔なんてあるわけもないし」


アホなことを考えながら、頬や顎についた余分な肉を空いた手で動かし、何も変わらないことを再確認する。


身長自体は170cmと概ね日本の男子高校生の平均身長は超えることはできたが、体重は平均、、、を大きく超えて、ぽっちゃりと自称するにもすこし苦しい位には無駄なお肉が全身についている。


2年前まではそんなこともなかったのだが、中学1年のあの日に起きた出来事以来、スポーツというものからは一線を引き、それでも食事量は変わらなかったものだから体重だけは平均を大幅に超えてしまった。


母ちゃんの飯はうまいし文句はないのだが、作る量が多い。

父ちゃんと離婚して、今は女手1つで育ててくれているが、食事を作るときはつい多く作っちゃうと困った顔で笑うその顔を見て、残すのは悪いと毎回完食してしまう。


離婚の原因は父ちゃんの浮気。

当時、母ちゃんはショックを受けていたが、俺をひとりでもしっかり育てると気持ちを切り替えたと言っていた。

父ちゃんは母ちゃんと俺が生活していくのに困らないだけのお金は母ちゃんに支払っているとのことだ。なにか必要なことがあればすぐに連絡するように、俺も言い含められている。


歯磨きを終えると、一度自分の部屋に戻って真新しい制服に着替える。


今年から新設された桜阪学園はブレザータイプの制服で、男女ともに明るいベージュのジャケットに紺色のパンツやスカートとなっており、学生章として桜色のピンバッチを胸元につけるそうだ。


そうだというのは、実際にピンバッチは入学式の後に配られるそうで、今はまだてもとにない。


今年から新設ということで、俺たちの学年より上には生徒はおらず、1期生ということで入学時には特典とでも言うべきか優遇措置が複数ある。


聞いた話にはなるが今年入学する生徒は総数180名でこれが6クラスに振り分けられる。


そのうち有名難関校を目指す特進クラスが1クラス、スポーツ推薦などで集められたスポーツクラスが男女併せて2クラス、普通科のクラスが3クラスで構成されるらしい。


先ほど話した特典のうち、特進クラスについて上位5名は学費無料、クラス平均のボーダーを超えている生徒も学費が半額免除らしい。また卒業時に国立難関校に合格した際には実績を残したご褒美があるそうだ。これは特進クラスにしか説明されてないとのことで、詳しい内容はしらない。


スポーツクラスは各部数名いる特待生は在学中の学費無料、またチームとして設定する目標をクリアすれば設備投資のご褒美があるとのこと。


また俺が入学する普通科クラスも1期生ということで学費が一部免除されており、また俺が入学を決めた理由でもある母子家庭への支援制度もある。素行不良などなければ無担保無利子、また経済状況においては返還不要というとてもありがたい奨学金制度を開設しており、入学前審査で合格した俺はそれが決め手となり入学を決めた。


「ハルー早くしなさい!!」


母ちゃんに再度怒られた俺は慌てて準備された朝食を食べることにした。


「ハル、あんた高校に入ったらなにか部活動かなにかするの?お金のことは気にしなくていいから好きなことやりなさい。というかいい加減昔のあんたの痩せた姿をみたいからなにかやりなさい」


2杯目のご飯を書き込んでいる中で母ちゃんからそんなことを言われる。


「とくにやりたいことはないかな。てかやる気出せば痩せれるし、なんなら俺は動けるぽっちゃりだし」


「ぽっちゃり笑笑 デブでしょ」


「デブ言うな!!」


そんなたわいのない話もご飯を食べ終わり、チラリと時計に目を向けるとさすがにもう家を出ないと遅刻はしないがやや危ないかも?と言う時間に突入していた。


「じゃあ母ちゃん、俺は先に学校に向かうから」


「了解。私は入学式が始まるまでには向かうから。あとあの人にも入学式の写真を送らないといけないから、帰る前に一度LINEちょうだいね」


「わかってるって。まぁ友達できたらちょっと遅れるかもしれないけど」


「それも含めて連絡しなさい」


「りょうかーい。じゃあ行ってきます」


母ちゃんは俺が食べた朝食の後片付けをしながら、いってらっしゃいと笑顔で見送られ、金沢遙人かなざわはるとは学園に向かい、家を出るのであった。




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