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元女房役の俺の元に押しかけてくる恋女房?  作者: コーヒー


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10/30

入学3日目 ①

昨日は激動の一日であった。


学園の理事長の孫である桜木凰花の突然の来訪。一日の予定が終わり何事もない放課後が始まると疑っていなかった状況からのその出来事から、最終的には桜木と俺の母ちゃんが何故か結託し、俺は2年以上離れていた野球を再開することになった。


あのあといくつかのことを桜木と母ちゃんが話し合った後、彼女は気分よく帰宅していった。母ちゃんに(目線で促され)自宅の近くまで送っていく事を提案したが、結局彼女の母が近くまで来ていたそうで、丁重に断られた。


ちなみに母ちゃんと彼女が決めた取り決めは4つ。


①野球道具のうち、消耗品や他の道具は言葉に甘えて準備をお願いするが、グローブだけは母ちゃんが自分で用意したいと言うこと

②俺自身はスポーツクラスには転科せず、現在の普通科クラスに在籍を続けること

③野球部にはスポーツクラスの生徒たちが利用する生徒寮があるが、俺は自宅から通学すること

④金沢遙人の肉体改造計画について桜木凰花は専属マネージャーとして監督を行うこと


上記4つのうち①は母ちゃんたっての希望であり、次の休みに早速グローブを注文しに行くことになった。小学生の頃に使っていたものはジュニア用でサイズが合わなくなっており、新しいものが必要となる。


②についてはこれはどちらかというと俺の希望である。まだ入学して2日ではあるが、せっかく今のクラスでも仲良くなった友達がいるんだ。移動するならこのタイミングなのかもしれないが、俺は現状維持を希望した。


③は俺と母ちゃんがどちらも希望した。今は二人だけの家族なのだ。マザコンと言われるかもしれないが、たったひとりの母ちゃんを大切にして何が悪いのか。まぁ入寮してもすぐの距離なのですぐ帰ってこれると言えばそうなのだが...


訳がわからないのは④である。


かっこいい言葉に直しているが、言い直せばダイエットしろ、痩せろと言うことである。理屈はわかる。なにより俺も野球を再開するのであれば当然必要な事だと思っている。


改めて野球部に入部するにあたり、俺が希望するのはやはりキャッチャーというポジションである。他のポジションでプレイする可能性があることは百も承知だが、野球というスポーツの中で俺が一番好きなポジションはキャッチャーなのである。


野手の花形といえばショート、そのポジションを任されるのはチームでも特に野球がうまい選手であり、ピッチャーも投手が投げなければ野球が始まらなく、特に注目を集めるポジションであるので人気が高い。


だがキャッチャーはグラウンド上の監督と言われるほど重要なポジションでもある。その日のピッチャーのコンディションや調子に合わせて配球を考えたり、状況に応じて野手の守備の位置を指示する事も多い。配球を考え、相手の思考の裏をかいて凡打を打たせて打ち取るのはリトルの頃でも感じていた快感の一つだった。


その頃にバッテリーを組んでいたあいつは凡打で打ち取るよりも三振を狙いたがるので、サインに首を多く振ることも多かったな。こればっかりは投ピッチャーの感性と俺というキャッチャーの感性の違いなんだろう。


まぁ結果としてあいつは三振をしっかりと取っていたので、あいつの希望6、俺の配球4くらいでその頃はリードしていたが。


話を戻すが、キャッチャーというポジションはその他のポジションとは違い、中腰の姿勢でいることが多く、今のままの身体では怪我のリスクが高くなるので、無駄に付いたこの脂肪とさよならしなければならない。


自分では動けるデブを自認しているが、痩せることで確実に身体のキレも上がるだろう。


訳がわからないのは専属マネージャーという言葉である。


彼女が表向きはマネージャー、実際は監督として野球部に入ることと、俺の肉体改造を監督することはどう考えてもイコールにはならない。


もちろん俺も野球を再開することになったので、肉体改造に本気で取り組むのだから④の取り決めなど不要なのだが、母ちゃんと桜木の間では何故かそのことも合意されていたのだ。


まぁ自分ひとりでは音を上げるかもしれないので、そのサポートをしてくれるのはありがたいのだが。


そんなことを考えながら登校の準備を進めていると、LINEに通知がなる。


送り主は件の桜木凰花。内容は朝食の内容の報告指示であった。俺は母ちゃんが準備していた朝食の写真を送る。数分もたたぬうちに既読がつき、太っちょなかわいい犬の姿が描かれたスタンプ(了解のメッセージつき)が帰ってきた。


これも昨日のうちに決まっていた。食事量はなるべく減らさず、高タンパク低カロリーなメニューへの改善、といってもこれは痩せるための第一フェーズとして失われた筋肉を取り戻す期間中の徹底と言うことで話をつけたが。


男子高校生としてラーメンや牛丼など食べたいものはたくさんある。それをこれからずっと絶つなど無理だ。それなら野球を辞め、、、るかは考えるが、無理だ。


なので短期目標、中期目標、長期目標を決めて、クリアすればご褒美としてチートデイを。失敗すれば目標の再設定はもちろんだが、クリアできない場合は次回の目標クリアまで好きなものを一つ取り上げられる。


期間中にペナルティはない。例えば俺が今日のどこかでラーメンやチャーハンを食べても問題はない。その分運動するか他の日の食事内容を調整するのかはある程度個人の自由を尊重されている。


ただし目標が未達成となれば、その原因と考えられる高カロリーなものを排除されるだろう。俺の大好物は昨日母ちゃんの通報によってすべて筒抜けである。そして大好物は軒並み高カロリーなものが多い。


それらを取り上げて禁止されることはおれにとって死活問題である。


故に俺はなんとしてもこれらの目標をクリアしていかなければならないのだ。


ちなみに短期目標はまず1kgの減量で期間は10日。中期目標は5kgの減量で期間は2ヶ月。長期目標は15kgの減量で期間は6ヶ月。


ちなみに今の俺の体重は91kg、つまり半年で21kgのダイエットを行う。


先ほども話したとおり、脂肪を燃焼するための筋肉を増加させていくところからスタートになるので、いかに前半でサボらずにトレーニングを行えるかで後半の体重を減らせるかが変わってくるだろう。


脂肪を燃やすために熱意を燃やすといったらかっこ悪いが、やるからには本気で。


まずは今日から始まる部活動の仮入部期間からしっかり行動しようと決意して、俺は桜阪学園へ向かうことにしたのだが、、、


桜阪学園までの道のりの途中、周囲に通学する同級生が増えてきた中である異変に気がついた。


顔も名前もしらない同級生がほとんどなのだが、向こうはこちらを知っているかのように俺の方に視線を向けてくる。


いや、理由は明白である。昨日の桜木凰花の突然の来訪が原因だろう。


まだ入学して2日にもかかわらず、新入生代表で美少女である桜木が、俺のようなぽっちゃり(異論は認めない)に突然名指しで訪問してきたのだ。


目撃したクラスメイトはもちろん、そこから噂が広まったのだろう。実際仲のいい3人からもグループLINEで事情を聞かれたため、昨日中に説明済みだ。


古賀からは「美女と野獣?」とからかわれ、女子二人からも笑われた。


事情を説明する中で野球を再開するということにも触れたため、大木さんはすごく喜んでくれた。


秀斗からも「これって遙人のこと?」って聞かれたのでありのままを伝えた。その際ついで古賀を紹介することを伝えると、新たなサッカー仲間の存在を喜び、今日の昼休みに紹介する運びになった。


学園に到着し、校舎に入ってからも奇異の視線は変わらなかったが、もうこれからしばらくは同じような状況は変わらないだろう。俺はいっそこの状況を諦めることに決めた。

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