episode46 ユーコ出撃
総力戦で国王派の軍勢は大敗した。俺は、
「何とか城に到着しましたよ」
と、ランスロットを守り抜き、
共に帰還したのだが、伊波中尉は、
「我が軍の被害は甚大だったな」
と、ため息混じりに声を漏らす。
だが、その時、ヘルメスが、
「将軍派のランバダとう男が農民兵を率いて」
早くも町の西側へと攻め込んで来たというのだ。
そして伊波中尉に、こう依頼した。
「砦の応援を頼みます」
この依頼を受けて、
俺が、たった一人で砦の支援に向うことになる。
伊波中尉は、
「小隊も今は6人しか生き残っていないからな」
と、言い、戦力は温存したいのだろう。
こうして俺がパワードスーツを着装して、
西の砦に出向くと、
「あら軍曹殿、あの戦場で無事だっの?」
俺を出迎えたのは、
女性魔物討伐士のユーコ・オーシマである。
「ユーコ、相変わらずセクシーな衣装だな」
「スケベ野郎、これは私の死に装束なんだ」
お互いに軽口を叩き合い、二人は砦の中へ向う。
「軍曹殿、この砦はね、意外に堅固な造りだよ」
その砦でユーコは、
抜刀隊の生き残り約20名を率いて、
農民兵と戦っていた。
「それで敵の数は?」
と、俺が尋ねると、
「だいたい50人くらいでしょうね」
ユーコは、そう答え、そして言葉を続ける。
「到着して早々で悪いが、これから敵を攻擊する」
さらに、こう依頼してきた。
「軍曹殿、先鋒を頼めないか?」
「勿論だ。そのために俺は来た」
その後、ユーコは砦の最上段に登り、
眼下の兵たちに向かって、大声で命令を下す。
「皆の衆、出撃だ!」
「おおおぉぉぉッ!」
と、兵は応じて、その士気は高いようだ。
こうしてユーコは抜刀隊を率いて、
敵軍へと向かい、砦から出撃した。




