episode45 将軍派の脅威
ランスロットと将軍は騎乗して、互いに、
槍を構え対峙した。
「手出しは無用だ」
と、将軍は部下に命じ、
ランスロットを相手に一騎打ちを挑むようだ。
「将軍よ、私に勝てると思っているのか?」
「いつまでも、自分だけが強いと思うなよ」
そして両者は同時に、
「いざ、尋常に勝負!」
そう言った瞬間に馬を走らせ、槍を交錯させた。
ガギイィーン。
けたたましい金属音が響き、
槍先から、バッと、火花が散る。
「ランスロット、お前の腕は、その程度なのか?」
「私は魔物討伐士だ。権謀術数の貴様とは違うぞ」
その言葉の後、二人は、
ガヂン、
ゴヂン、
ギガン、
三度、槍を合わせる。そこで、
「将軍、お戯れは、そこ迄です」
と、親衛隊がランスロットを取り囲んだ。
ここでパワードスーツ着装の俺は前に出て、
「それならば俺が相手だ」
ランスロットの盾になりながらも、
機関銃の銃口を将軍に向ける。
すると将軍は静かな口調で言った。
「私を撃ち殺す気か、未来人よ」
「なに、未来人だと、俺がか?」
次の瞬間、大きな盾を持った兵団が、
ガシャリ。
将軍の前に立ちはだかり、主を護る。
その刹那。
「大勝利、大勝利!」
戦場に大きな声が、こだました。
「大勝利、大勝利!」
この声は将軍派の兵士の声か?
「ほう、我軍は勝利したようだな」
将軍がニヤリと笑う。
「大勝利、大勝利!」
まるで悪夢のような大合唱だ。
これを聴いてランスロットが声を漏らした。
「軍曹、ここが私の死に場所のようだ」
「いいえ、俺は貴方を守って城に帰す」
俺は闇雲に機関銃を乱射して敵を牽制した。
バババッ、バババーン、ババババーン。
「ランスロットさん、走れ!」




